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十三匹目*ほんの少しだけ百合要素があります ページ16

A side



分かっている



あれは撮影のためのものだ



嫉妬なんざもっての外



だから



泣くな



私は泣いていけないのに



強くなければいけないのに



泣く資格など私には無い



無いのに



『っつ...ぐ、ぅ...』



涙が止まらない



「A...」



『仁斗...っ、すまない、何か用か?』



「用はないけど...大丈夫、じゃないよね」



『まぁ、な...』



「だいじょーぶ、だいじょーぶ」



優しく、柔らかく、そしてゆっくりと頭を撫でてくれた



...また、泣いてしまうじゃないか



『仁、斗ぉ...』



「よーし、よーし」



_________________________
??? side



あああああああ邪魔だなああああああああ



あの雷獣女め。



憎い憎い憎いいいいいい



ああああイライラすんなあああああ



………ヤっちゃおうかなぁ



うんそうだそうしようそれがいい!!



それでAが悲しんでる所に僕が...



うふふふふふふ...



_________________________
仁斗 side



「A?」



『すー...すー...』



あ、寝ちゃってる...



...可愛いなぁ



好きだなぁ...



ごめんね、こんな私が好きになっちゃって



女なのに、ごめんね



ごめんね...



...あ、私も泣いちゃった



Aの方がつらいのに、ごめんね



...そういえば、最後にAが泣いたのっていつだっけ



あ、そうだ









____________お母さんが、亡くなった時だ

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作者名:ちくわぶ大明神 | 作成日時:2020年5月16日 0時

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