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衝動。H,Ryusei ページ8

「風呂上がったで。」


はーい、と妹の声が聞こえてリビングのドアを開けると、テレビを見て笑うAがいた。

「お兄ちゃん!お兄ちゃんの好きな芸人さん出てるよ!」


「あっ、ほんま?」


そう言って横に座ると、自然な甘い香りが漂ってきた。


抱きしめたい衝動に駆られて、必死にスウェットを掴んだ。



この気持ちに気がついたのは、高1の夏だった。

急に大人っぽくなったAに抱いた感情が、妹に対するものではないなんて、


もうしっかりと分かる年頃だった。



「A。」と俺が呼んでも、


「お兄ちゃん。」とあいつは返す。




その会話をする度に、胸が締め付けられるから最近はあんまり名前を呼ばないようにしていた。


「どうしたの?湯冷めしちゃった?」



唇を噛んで俯く俺の顔を、Aは心配そうに覗き込む。


愛おしくて、愛おしくて。


Aの頬に手を当てた。



どうしたの?とでも言うように、小首を傾げたAに、理性が飛びそうになる。



あぁ、このままキスでもしてやろうか。

そのままその先も。



もう、壊してしまってもいいだろうか。






俺は触れていた頬を、むにゅとつまんだ。


「にゃ。」

「大丈夫や。はよ風呂入ってな。」


はーい、とまた返事をしてリビングを出たAを見て、ハァとため息をつく。




Aの泣き顔が浮かんで。


兄弟という肩書きを、これでもかと憎んだ。






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流星くん、切ないものばっかりで申し訳ないです…。

次こそは!ハッピーエンドを!

私しか知らない。N,Junta→←自主練。H,Takahiro



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作者名:栗太郎。 | 作成日時:2016年9月1日 16時

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