酔い。M,Kouji ページ25
頭痛とともに目が覚めた。
ゆっくり瞼を開けて見えた視界は、見たことのないもので。
ぼやけていた物がハッキリしだした時に、ようやく頭が動く。
「……えっ。」
知らない部屋。朝。ベッド。
布団を捲ると、私の肌。
「………っ。」
待って、私昨日なにして…。
ゆっくり記憶を辿っていると、ガチャリとドアが開いて、細身の男が入ってきた。
「お、お目覚め?」
「向井……くん?」
大学で人気者。
私の憧れていた彼。
向井くんが、どうしてここに。
「なに?昨日のこと覚えてません的な?」
なにそれ、笑えるわ。と、聞き慣れない低い声。
「あんなに、愛し合ったのに?」
「……へっ、」
信じられない、っていう気持ちと
でも、やっぱり、ってどこかで分かっていて、
二つの気持ちが混ざった。
「軽い女やなー。酔った勢いで、なんて。」
「……やっ、私……。」
シーツをぎゅっと握りしめると、彼は私の体にかかっていた布団をベッドの下に落とす。
「きゃっ。」
急いでそれを取ろうと前のめりになると、その上から覆い被さられて、いつの間にか彼が上にいた。
「今更恥ずかしがんなや、昨日全部見たんやからさ。」
「向井くん、私っ、」
言い終わらないうちに、太ももを撫でられて声を我慢して唇を噛んだ。
「真面目な純粋ちゃんがなぁ。ここまでだったとは。」
彼はそう言うと、面白そうに口角を上げて、自分の着ていたシャツのボタンに手をかけた。
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作者名:栗太郎。 | 作成日時:2016年9月1日 16時