ダイヤモンドリリーの咲く頃に [文豪ストレイドッグス] [中島敦]

十二輪目 ページ13

敦side
「はぁ〜」 「どうしたンですか？」


ため息をつくと谷崎さんに心配された


「書類がこんなに……ってん？」


山積みになっている書類をよく見てみる


「って、これ九割太宰さんのじゃないですか！太宰さん！」


そう呼んでも返事はない。今回はどこに行ったんだ？


時計を見てみるに今はお昼どき。うずまきか？


社内でもだいたいの人はお昼休憩で出かけている よし、行くか


階段を下りてうずまきに向かう。探偵社の下にあるからすぐに着く


どうせ前みたいに定員さんに心中のお誘いでもして迷惑を掛けているんだろう


正直言って、迷惑がかかるからやめてほしい。 僕たちにも定員さんにも


そろそろ国木田さんの胃に穴が空いちゃいますよ


意を決してドアを開け、太宰さんを呼ぶ


「太宰さん、僕のところに書類混ぜてないで仕事して下さいよ！」


あれ、珍しく反応がない。店内を見渡して本人の姿を探す


すると、カウンターの席で


「このコーヒー凄く美味しいよ！どうやって入れたんだい？」


「何も、特別なものを入れたりとかはしてませんよ」


と見たことがある女性と太宰さんが談笑していた

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