師匠は語らない 四 ページ6
「……とは言ったものの……
掃除するっつっても、どっから手ぇつければいいんんだ？」
大ガマは箒を片手に、ふと考える。
この広い一軒家にはさほど部屋はないが、その数がない代わりに、一つ一つの部屋がとても広い構造になっている。
もともとは寺にすむ僧が寝泊まりをしていた部屋と師匠は言っていたのだが、
今となっては、その面影など零に等しいほどに、微塵も感じられない。
ー確か上の埃落としてから、下のゴミと一緒に出すんだっけ？
大ガマは曖昧に覚えている師匠の手つきを真似しながら、天井から埃や蜘蛛の巣をはたき落とす。
「……これ、今日中に終わんねぇだろ」
今の時刻はすでに昼を回ろうとしている。
大ガマが掃除をし始めてまだ数分足らずでも、まだ手を着けていない部屋がほとんどだ。
まだ５分の1にも行き届いてはいないと言うことに気づき、大ガマは思わず苦い笑みを零す。
「やべぇ、すでに心折れそ……」
大ガマはそうぼやきつつも、せっせと天井を掃除して、やっとの事で半分の廊下の天井から埃を落とした。
そしてそれを床のゴミと一緒に外に出す。
「ふー……、思ったよりもきっついな。」
そう口を開いて独り言を呟くと、大ガマは廊下を走って部屋に戻り、別の場所を掃除し始める。
そんな時、突き当たりの廊下に、階段があったことをふと思い出す。
ーあれ、どうなってんだろ
師匠は物置だと言って、詳しく教えてくれなかったし、何よりも今という今まで、この階段の事を忘れていたのだ。
大ガマは内心ワクワクしながらも、その階段を駆け上がる。
「やっぱ２階に繋がってんだな……」
少し登っていけば見えた古ぼけた扉。
大ガマはゴクリと唾を飲み込んで、ゆっくりと扉に手をかけて押し開けた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 18人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
♪ - リリディアさん» そうなんですか！？少しでも癒やしになってると嬉しいです(*´▽｀*)私、宮崎で離れていますけど、遠くからリリディアさんを応援しています！！ (2016年6月23日 20時) (
レス) id: 31b9002b8a (このIDを非表示/違反報告)
リリディア - 音楽大学の附属中学校に行ってます(^o^)v更新頑張って下さいo(^o^)oおーえんしてます！ (2016年6月23日 18時) (レス) id: c27278eda4 (このIDを非表示/違反報告)
リリディア - 学校が国立で、栃木にすんでるんですが、新幹線と在来線でいってます。癒しですよ(*´∇｀*)この小説(*´∇｀*) (2016年6月23日 18時) (レス) id: c27278eda4 (このIDを非表示/違反報告)
♪ - リリディアさん» バイオリンひかれるんですか！凄いですね!!私、リコーダーさえも吹けないのに！格好いいです！ (2016年6月22日 19時) (レス) id: 31b9002b8a (このIDを非表示/違反報告)
リリディア - 更新頑張って下さい！僕もバイオリン頑張りますよ！ｷﾘｯ( ・`д・´)そのうちYouTubeにだすかもです(^o^)v (2016年6月22日 7時) (レス) id: c27278eda4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：♪ | 作成日時：2016年5月7日 22時
