比べられっ子【2j3j】 (ページ7)

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乙女座の加護ページ7

Aside
『あ、そうだ。ロウ羽織ありがとね』

足元にいるロウに一蹴り入れて昨日かけられていた羽織を返す。

『せっかく友達とクレープ食べに行こうと思ってたのに』

リト「えっ！それはごめんね！俺達も自分らで倒せると思ってたんだよね〜」

『それで怪我したらいみたいじゃない。………………私みたいに早死したいなら別に助けなかったけどねぇ？おヘビさん』

おヘビさんも呆れた顔をしてリトを見ていた。

『さっさと帰ってくれる？元に戻せないんですけど』

？？「助、けて……………」

『……………………気分変わった、おヘビさんそっちお願いね』

消えそうな声の方に飛んでいく。

『こりゃ一段とデカイなぁ』

頭から血を流して倒れている女の人ときっとあれは。

『“泥人形”がこんなところで何してるの？さっさと帰んなよ』

泥人形？「………………」

泥人形は何も言わず私の方を見ている。

『連れて行くなら他の子にしてくれる？その子は私のだから』

泥人形？「………………お、前……の」

女の人を連れて行こうとしていた泥人形は案外素直らしく何処かに行ってしまった。

『大丈夫ですか？今治すから少し待ってて下さい』

女の人は私の膝に頭を乗せてそのまま目をつぶった。

『(これ死んでないよね……？)“乙女座女神”』

私の頭上にひし形の王冠が浮かび優しい光が私の女の人を包む。

『荒行だけど許して下さいね〜』

女の人の額に乙女座の座標を描く。

『“12の星が満ちる時、貴女に試練を与えましょう。星の輝きを貴女に。さぁ、瞳を開けて？乙女座の加護を一時的にではありますが貴女に私の命を授けましょう”』

女の人はゆっくりと目を開けた。

瞳の中には乙女座の星が散りばめられている。

『おはようございます。気分はどうですか？“笹木先輩”』

笹木「…………………………」

笹木先輩から言葉が帰ってくる事は無くそのままロウ達の方にふらつきながら歩いて行った。