比べられっ子【2j3j】 (ページ46)

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番外編 EXボイスページ46

Aside
コツ、コツ、コツッ

消毒の香りが充満する建物をゆっくりと歩く。

今日は何の話をしよう、最近流行っている事、美味しい食べ物、お供達の話もいいなぁ、そんな事を考えながら私は1人肌寒い廊下を進む。

『来たよ、起きてる？』

消毒の匂いと機械音が鳴り響く部屋を覗き込みながら中に居るであろう面々にそう問いかける。

部屋の壁にはそれぞれメンバーの名前と現状が記されたカードがぶら下げられており全員があまり良くない状況だ。

『なんだ、まだ誰も起きてないのか』

1番手前のカーテンを開け、用意されている椅子に腰掛ける。

『今日ね、主犯格の1人を殺してきたんだ。お風呂に入って来たから血生臭くはないと思うんだけどどうかな？』

機会に繋がれたライにそう聞くも返答は帰ってこない。

『けどライは優しいから臭くても臭いって言わないよね？』ｸｽｯ

クスリと笑ってライの頬にキスを落し、次のカーテンを開けた。

『こんにちは、カゲツ。お加減いかが？』

カゲツの横に座り沢山の管に繋がれたカゲツの手を握る。

『手が冷たいね、あんまり外に出てちゃダメだよ？』

カゲツの手をそっと布団の中に入れキスを落しまた次のカーテンを開けた。

『ショウ元気？お店は回ってるから安心してね』

人工呼吸器に繋がれたショウを見つめながら言葉を続けた。

『この前絵を買いに来たおばあさんが結構な大金を払ってくれてさ。遠慮したかったけどお礼だからって聞かなくて………。ショウがなんかしたのかなと思ってそのまま貰っちゃったけど大丈夫だよね？』

返事が返って来ない事を知っていながらそう聞く。

結局答えは帰って来ないままキスを落し最後のカーテンを開けた。

『はい、お供の猫ちゃんロウに会いたがってたから連れてきたよ』

ロウのお腹の上に優しく猫ちゃんを置くとすぐにロウの顔の近くで丸くなった。

『愛されてるね〜……………私にもおヘビさんが居たら皆の事治せたのにな……』

突如として姿を消したおヘビさんが居なくなった。

何時もの散歩だと思っていた自分が馬鹿だった。

何時までたっても返って来ないおヘビさんを探しに行かなかった私も悪い。

きっとおヘビさんも私に呆れちゃったんだろうなぁ。

『ねぇ、早く起きてよ。…………前みたいに駄目だろって叱ってよっ…………』ﾎﾟﾛﾎﾟﾛｯ

私の声が彼らに届く事はなかった。