比べられっ子【2j3j】 (ページ41)

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11色のピアスページ41

Aside
配信開始時間まで残り15分。

さっきまでセラフ先輩が寝ていたソファに座り床に置いてあるバックを手に取り、手鏡を手探りで探す。

チクッ

『いっ』

指先に感じた一瞬の痛みの原因を探るべく、指先にあるその何かを取り出す。

それは私が落としたと嘘をついた黄色のピアスだった。

『付けてなかったっけ？』

そう思い、急いで耳を触ると確かに10個しか耳に着いていない。

さっき見つけた手鏡にも10色しか色が映らない。

私は手鏡を見ながらライカラーのピアスを付けた。

付け終わってホッとした。

小さな手鏡をじっと見つめながらまた耳を触る。

ホントはこんなに開けるつもりなかったなとか、此処を開けるのは痛かったなとか、11色もあって派手派手だなとか。

そうだ、ホントはこんなに付けるつもりなかったんだ。

けど気が付いたらこんなに増えていて。

宝石で装飾されたピアスを見つめながらそう考える。

伊波「Aちゃ〜ん！」

叢雲「A〜」

星導「A……？あぁ、A、A」

小柳「嘘だろ此奴……………A！さっさと来いよ！」

私の光。

私の宝物。

私の………。

『大切な人達』

私の生きる糧であり、宝物であり、傍に居たいと私が願ってしまった人達。

よく“アスター(リスナー)”達にメンバーの事好き過ぎるなんて弄られる。

好きで何が悪い。

私は彼らが、皆が大好きだ。

私を照らしてくれた彼らが、私の生きる糧になっている彼らが大好きだ。

『好きじゃなかったらこんな派手派手ピアスなんか付けないよ』

重いと言われるかもしれない。

気持ち悪いって軽蔑されるかもしれない。

だけど、それでも。

『大好き……だもん…………………///』ﾎﾞｿｯ

それを扉の外から聞かれていると知るまで残り20分。