比べられっ子【2j3j】 (ページ40)

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未来ページ40

Aside
ルーラー達大丈夫かな、そう思いながら私はさっき“人魚姫”に見せられた映像を振り返る。

“人魚姫”は未来に起こる現象を見る事が出来る力を持つ。

その“人魚姫”本人から見せられた映像はロウ達の怯えた様な顔。

そしてそれを見終わったあと、“人魚姫”からこう言われた。

《“ダーリン(アリエル)”、今アタシが見せたこれがどういう意味か分かる？これは貴女が近い将来絶対に見る事になる光景。その光景を忘れては駄目。貴女にとってその光景が今後を左右するわ》

そう言うと“人魚姫”は悲しそうな顔顔で笑った。

《アタシの様になっては駄目。アタシは国も王子様も何もかも失って朽ち果てた“あの子”の思念の形。だから“ダーリン(アリエル)”にはそうなって欲しくないの》

小さな子供を諭すかの様に私の手を優しく握る。

《あの蛇が“ダーリン(アリエル)”になんて言ってるかは分からないけどアタシは“ダーリン(アリエル)”にそんな思いして欲しくない。だから貴女に託したの。未来の貴女を幸せにしたいから、ね？》

そう言うと“人魚姫”はニコりと笑った。

『そう……ね』

“人魚姫”には私が見た景色は見えないらしい。

あくまで“見せる”だけ。

その後“人魚姫”に四季凪先輩の状況をサラッと聞きもうこっちに戻してもいい事を伝え帰って行った。

渡会「Aちゃんっ！！！」

貴方の泣きそうな顔が今でも私の頭の中を支配している。

そんな所を思うと私は自分が思っているより、兄であった雲雀お兄様を嫌っていないのかもしれない。

『お兄様……』

それを。

セラフ「……………」

セラフ先輩に聞かれているとも知らずに。