比べられっ子【2j3j】 (ページ39)

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ある筈の無い拒否権ページ39

四季凪side
終始ニコニコしている女性基“乙女座女神(ガブリエル)”さんが指をパチンと鳴らす。

体を眩しい程の光が包み目を閉じる。

そしてもう一度目を開けるとそこは私が先程までいたRoom4Sの事務所ではなく辺り一面が宇宙の様な空間だった。

女神《四季凪様、どうぞお掛けください》

いつの間にか他のお3方は移動しており私を待つ形で椅子に座っていた。

四季凪「あ………、失礼します」

用意された椅子に座った瞬間、私は背後の物凄い殺気に驚き椅子から立ち上がってしまった。

？？《何故人間が此処に居る……………》

エメラルドグリーンの輝く尾びれをした女性だった。

後ろを確認するもその女性しかいない。

私が驚きを隠せないでいると女性は言葉を続けた。

？？《あの子の客か？…………あぁ、お前か。あの子の事をあの男に報告しようとしていたのは》

女神《えぇ。その件で此方にお連れしたんですの。“人魚姫”はこれからどちらに？》

人魚姫《アタシはこれからあの子の所に行く。呼ばれたからね》

にこやかに笑う女神さんと人魚姫と呼ばれた女性は私の方をギロリと睨みながらそう言った。

人魚姫《あの子を悲しませたらアンタを呪い殺してやるからそのつもりでいなさい》

そう言うと人魚姫さんは尾びれをゆらゆらと動かして出ていった。

女神《………………とあまぁ、ワタクシ達の言いたい事を殆ど人魚姫が言ってくださいましたし。ワタクシ達の“お願い”、聞いていたけますか？》

その問いにもう一度気付かされた。

拒否権なんて最初から用意されてはいなかった。