比べられっ子【2j3j】 (ページ34)

今日:74 hit、昨日:89 hit、合計:117,172 hit

呪いの言葉ページ34

Aside
配信まで残り3時間。

そんな時に限って任務が当たる。

『はぁ………疲れた』

配信までの時間を意識しすぎた所為か何時もより傷が深い。

『(服で誤魔化せられる、それにこのくらいならなんとかなるかな)』

変身を解きながら来た道を辿る様に帰る。

『足痛い……、脇腹あんま感覚ない。面倒臭いなぁ』

自分の言うのはあれだが私はあまり自分に興味が無いらしい。

数年前にそう言われた。

「自分に興味が無いから命だって簡単に捨てる様な事する。お前はお前しかいないんだ、だからもっと大事に生きろ。いっぱい遊んでいっぱい悩め、そんで周りの大人にめいっぱい迷惑かけてやれ。お前は自由なんだ。だから俺みたいに早死する体になんかなんなよ？」

私の元上司にあたるあの人もそう言った。

あの人の名前も、顔も思い出せないのに何故だかその言葉だけは今の頭に残ってる。

“自由”。

私には無縁の物。

私に“自由”なんてない。

ずっと同じものに縛られ続ける私と縛り続けるあの人(渡会雲雀)。

私にとっての“自由”は、きっと。

？？「A！帰んぞ！」

目が開けられない程の光で私を照らしてくれる貴方達が傍にいてくれる事だと思う。

『迎えに来なくたって良かったのに』

青髪の貴方。

優しくて、暖かくて、私を照らす太陽の様な貴方。

貴方を見上げて、貴方を信じて今も私はそこに居ることを選んでいる。

小柳「ほら帰んぞ。星導達が心配してる」

そう言って手を差し伸べてくれる。

暖かすぎて逆に熱いくらいの手を私の手と重ねてくれる。

この人が、この人達が大好きなんだ。

どれだけ遠く、くらい世界でも貴方達がいてくれるなら私は頑張れるから。

大丈夫。

私はちゃんとそこにいる。

大丈夫。

私は貴方達の傍にいる。

大丈夫。

まだ死なないよ？

大丈夫だから、

愛さないで(繋ぎ止めようとしないで)。