比べられっ子【2j3j】 (ページ13)

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味の濃い唐揚げページ13

赤城side
『…………………』

Aちゃんは警戒心が強い方だと思う。

常に周りを気にしているしご飯だって他人が作った物を食べようとしない。

僕の作ったご飯を食べてくれる様になったのだってつい最近だ。

赤城「警戒心が強いってどころじゃないか」

お箸すら持とうとせず顔を顰めていた。

だから考えた。

考えた結果作っている所を見てもらえばいいって言う見解を導き出した。

『何を見せられてるの？』

赤城「僕がご飯作るから見てて！」

意味が分からなそうに僕の方を見ていたが気にせず料理を作り始めた。

赤城「これ塩ね、舐めてみる？そっちは砂糖だから甘いよ？」

そう言いながら手を動かすこと早30分。

できた料理を2つのお皿に乗せてテーブルに置く。

赤城「作る工程を見てたから今回は食べてくれるかなぁって思ったんだ。同じものを僕も食べるしそれならAちゃんも食べられるって証明になるかと思って」

チラッとAちゃんの方を見ると驚いた様な顔をしていた。

『わざわざそんな事する為に私に見せてたの？くだらない』

それでもお箸を持とうとしないAちゃんに僕は自分のお皿に乗った料理を軽く取りAちゃんの口の前まで持っていく。

『………………食べない』

赤城「いいから食べてみて？絶対美味しいから！」

僕の押しに折れたのかAちゃんは口を開けた。

それを見た僕は急いでAちゃんの口に唐揚げを入れた。

『…………………味が濃い。分量間違えたんじゃないの？』

クスクスと笑うAちゃんを見てこの子はこんな風に笑うんだって、何処か胸がキュンとした。