虹のしたで始まる恋。 (ページ3)

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授業に飽きてきて憂鬱な４時間目。

頭の中は優我くんのことでいっぱいで、
先生の退屈な話は一切入って来ない。

『今何してるかな。』とか『１組は数学だったな。』とかそんな事しか浮かんでこない。

「佐藤！この登場人物はどんな気持ちだと思う？」

先生に名前を呼ばれたことではっとして
慌てて考えていると飛穂がノートを見せてくれた。

それをその通りに読み上げる。

先生は「凄い、さすが佐藤だな。」と授業に集中してないことには気付いていないみたいでよかった。

「ボーッとしてんなよ、
また優我のこと考えてたんでしょ？(笑)」

ニヤニヤしながらバカにしてくるから消しゴムを思い切りぶつけてみる。

「そんなに好きならはやくコクればいいじゃん？」

消しゴム攻撃全く意味なし。

「顔真っ赤にしちゃって可愛いねー(笑)」

こうなったらひたすらからかってくるから、
本気で完全無視をする。

完全にそっぽ向いてノートを書く。

「ねー。ごめんって！
ホントにごめん！
もうしないから一緒に帰ろう！お願い！」

本気でショックだったみたいで、
子犬みたいな目をして謝ってくる。

私が断れないの知っててこれやってるから本当にずるい。

はじめはそれも無視してたけど、
ずっとお願い！お願い！ってうるさいから、

「いいよ、別に。」

なんて言ってしまって本当に私って弱いな。

「やったー！ありがと！」

「その代わり、この話はもうなしね。」

「わかったわかった！」

こうやってすぐ調子のるし、本当に３歳児。

.

.

色々あってもう放課後。

先に準備を終わらせた飛穂が廊下で待っている。

急いでプリントをカバンに詰め込んで教室を出た。

「ごめんごめん。遅くなりましたー！」

「遅すぎ...」

廊下で友達と爆笑してたくせによく言うよ。
ホントはもっと話してたかったくせに。

それまで一緒に話していた飛穂の友達達は
グループのまま騒ぎながら帰っていった。

「飛穂もみんなと一緒に帰れば良いのに。」

「オレは愛結心と一緒に帰りたいの！」

なんだろうちょっとドキッとしたかも。