【歌い手】歌わないのか【男主】2

. 66「卒業」 ページ27

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俺と4人のおかしな距離感が続いて5日。

明日が卒業式。



相変わらず眠れない。


ただ、憂鬱な日々がずっと。

ずっと。



クマの深い目で本を読んでいたら自分のスマホの画面が光ってることに気づく。



うらた明日、卒業式終わったら裏庭で話そう。



俺はそんなメッセージに既読だけ付けて返事は返さなかった。






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クラスの女子に散々ボタンを取られ、泣く暇なんてなく終わった卒業式。

みんなは泣いている。

さかたとまふなんか俺と目が合った瞬間泣くもんだから、気まずく目を逸らしたまますれ違った。


恥ずかしいったらありゃしない…



中「先輩、ご卒業おめでとうございます」


周りに睨まれながらも祝ってくれた中村ちゃんに笑顔で制服のボタンを渡す。

これで、最後だから。


中「せ、せんぱ、先輩？！？！」

『じゃあ、俺用事があるから。』





中村ちゃんにお礼を言ってから走って中庭へ向かう。


“卒業式が終わったら、中庭で”


中庭へ続く道にはたくさんの桜が舞っていてすごく綺麗だった。


今日で終わってしまう学校生活も。


美しい。




さ「A！！！！！」

ま「うぅ、A…！！」



中庭には俺と同じくボロボロになった制服を来た4人が立っていた。

制服には桜の花びらが着いていて、思わず笑ってしまった。


ま「えっ！！笑うの？！泣くんじゃなくて！！？」

う「お前らは泣きすぎ」

さ「だっでっ…！！！」


打ち合わせた訳でもないのにいつも通りに戻っている俺ら。



そ「ねぇ、A」




優しく微笑んだそらる。







『うん』




最後くらい。









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