【歌い手】歌えないのか【男主】

. 31「出来るなら」 ページ32

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さかたが目を見開いてから何分たったか。

今は少し元気がなさそうに俯いている。


俺が思うに、さかたは男で好きな人がいるんだと思う。で、普通の人は男同士の恋愛にどんな偏見をもってるのか知りたくて俺に聞いたのかな。


『さかた、男を好きになるのは普通の恋愛と変わらないよ』


こんな薄暗いところに、暗い友人といるのはすごく気が滅入る。

それに、さすがに元気がない友人を見ていたくない。


さ「俺…」


『うん』


さ「Aが好き」


『うん……うん？！！！』


ポツリポツリと紡がれた言葉の中に衝撃なものが混じっていてびっくりする。

え、さかたの好きな人って俺…？
しかも今それ言う…？



『さ、かたはさ、俺と、どうなりたいの？』


ここは結構重要。俺の返事に関わってくるから。



さ「俺は、出来るなら、Aの、彼氏になりたい」


真剣な目で俺を見たさかた。


『…ちょっと待って。』

さ「え？」

『俺が彼女なの？』

さ「いや決まってるやろ、外見的にもAが彼女側やん」

『側…？側って何？……まさか、せ、性行為も…？』

さ「当たり前や！！！！」

『当たり前やじゃないでしょ！！俺ぜってーやだ！！！死んでもやだから！！』

さ「ってことは付き合うのは良い前提やんな？！」

『ちがっ、そうじゃない！！！』



俺の肩を掴んで揺さぶってくるさかたに必死で拒否する。


『…てか、受け側は絶対痛い。』

さ「攻め側が上手ければ気持ちええらしいで！！」

『…ふぅん。…じゃあさかたとは絶対やらない』

さ「ど、どういうことや…！！！」

『絶対俺の方が上手いから。絶対。』

さ「何言ってんねん、……A童○やろ」

『は、はぁ？！さかただって○貞でしょ？！』

さ「俺は童○貞やけど、男限定で上手いんや」

『…男相手とはやったことあるってこと？』

さ「ちゃうくて、男同士の性行為は何度も見たってこと」


『…うわぁ』


ドヤ顔で言ったさかたに若干引く。
何度も見たって…そういう系の動画を…？
うわぁ…


さ「大体、Aは見なさすぎなんや。健全な男子は毎日見るで？」

『うわぁ…』



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