. 12「無意識」 ページ13
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「A!!!」
『うぉっ!!』
ぐっすり屋上で寝ていたら突如聞こえた大きな声。
ガバッと起き上がるとそこには少し汗をかいたまふがいた。
『ぇ、なんでまふ、ここにいんの、授業は?』
勝手に授業をサボった俺をまふは絶対に怒る。
ガミガミ怒った挙句何か奢らせてくるから厄介だ。
ま「僕も授業出ないで探した。だから今も授業中」
そう言って俺を見たまふはスネていた。
授業も出ずに俺を探してくれたってことは、相当心配してくれたんだろう。
『…で、屋上にはなんで?』
心配してくれたにしても屋上にはそう簡単に来ることは出来ない。
何故ならば、屋上は普通の漫画やアニメと違って“立ち入り禁止”。
誰も入ることはできない。
昔、ここで生徒が揉めて1人が落ちたとかなんとか。
で、次のそれを防ぐために完全にドアは鍵がかかり入ることは出来ない。
ま「…窓」
『…へ』
スっと屋上に続くドアの上にある窓を指さした。
ま「あそこから入ってきた。Aもでしょ?」
『…うん』
ドアの上にある窓は小さい上に高い。
俺は1人の空間がほしくて手に入れた、
“俺だけの道”。
ドアノブに足をかけ、埃だらけの窓を力いっぱいに開ける。
それだけで、俺はワクワク出来た。
……まふが知っちゃったってことは、もう
“立ち入り禁止”なんかじゃない。
ま「…そんな心配しないでよ。もう僕はこないよ。」
『…でもルート分かっちゃったら、俺を探しに来るでしょ』
俺は体育座りをして、膝に顔を埋めた。
ま「ふふ、僕だって鬼じゃない。
Aが落ち着ける空間を取ったりしないよ」
『……ほんと?』
少し上を向いてみたら、まふは優しそうに微笑んでいた。
ま「うん。だからさ、元気出してよ」
俺の頭を優しく撫で、まふは隣に座った。
『まふは、入ってこない?』
ま「うん」
『俺の屋上に』
ま「うん。入らないよ」
『そか…』
コツンとまふの肩に頭をのせる。
ま「…Aはほんと」
『あー、揉め事したらまた屋上から落ちちゃうー』
ま「…たくっ」
まふは呆れ笑いをしながら俺のおでこを小突いた。
『まふ、ありがとね』
ま「…どういたしまして」
チュッとリップ音がしたと思ったら、まふが俺のおでこにチューしていた。
『ま、まふ』
ま「ふふ、お返し。」
意地悪そうに笑ったまふに背景の青空が似合う。
きっとまふは俺の
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ハル - 僕も歌テストあったな。もちろん、最高得点より上の12点だけど、作者さんは歌嫌いなんですか?僕は大好きです! (2022年1月26日 22時) (レス) @page10 id: c9337234ed (このIDを非表示/違反報告)
狸です。 - 速くない? (2019年4月7日 19時) (レス) id: d89b3db748 (このIDを非表示/違反報告)
狸です。 - 聞いて良い? さかたんは50メートル何秒? (2019年4月7日 19時) (レス) id: d89b3db748 (このIDを非表示/違反報告)
名無し先生@男主製造者(プロフ) - 杏奈さん» わざわざありがとうございます!!沖縄弁が変換で出てきたので合ってるかと軽く使ってしまいました^^; 修正させていただきます!あお指ありがとうございました! (2018年7月9日 10時) (レス) id: 7c6295ab3b (このIDを非表示/違反報告)
杏奈(プロフ) - 沖縄弁…ここでは、方言って言うんで、沖縄弁は、存在しない?と思います。沖縄在住の者より。 (2018年7月8日 18時) (レス) id: 933a615838 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無し先生@男主製造機 | 作成日時:2018年5月17日 19時