. 39「最期のユートピア」 ページ41
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2日目、夜ご飯。
バイキング式で沖縄の名物がたくさん並んでいる。
『うまい!!まぐろ!!!』
う「ゴーヤーチャンプルー食べないの?」
『ゴーヤ苦いから無理』
う「だと思った」
ちなみに、さかたもヨダレを垂らしながらゴーヤーチャンプルーを皿に山盛りで積んでから苦すぎて食べれなくなった。
今はデザートに夢中だ。
ま「この後オリエンテーションらしいけど…どうする?」
まふもお刺身を食べながら俺とうらたくんを見た。
そ「決まってんじゃん。ねぇ、A?」
バイキングにはおでんもあるらしく、はんぺん山盛りの皿を持ちながら俺の頭の上に手を置いたそらる。
『そりゃ、もちろん。』
『サボるに決まってんでしょ』
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オリエンテーションの時間がやってきた。
俺らは先生の目の隙を盗んで部屋から飛び出し、夜の海へと駆け出した。
さ「A、見てみ、星めっちゃ綺麗やなぁ…」
『ほんとだ。キレイ』
夜の海は、俺らと波の音しか聞こえない静かな場所だった。
少し濡れた俺らの髪が風になびいて、昼の暑さとのギャップがまた良かった。
ま「僕たち、これが最後の思い出なのかな」
浜辺に座った俺らにまふが言った。
ま「修学旅行が終わったら、すぐに卒業だよね」
その声は少し震えていた。
う「卒業した後もたくさん遊べるだろ」
『…確かに』
ま「でも、!!今みたいに同じ学校には通えないじゃないですか、」
まふの目は月明かりによってキラキラと光っていた。それが、涙なのかはよく分からなかった。
『朝、一緒に通うことも教室で追いかけっこすることも先生に怒られることも、もう無いかもね』
そう思うと、焦りが生まれてくる。
このまま時を止めてしまいたいような。
本当にこれで終わってしまっていいのか、なんていう思いが。
さ「うっ、A、そんなこと言うなや!!」
隣ではグズグズと泣いているさかたがいた。
そ「でもさ、お酒飲めるようになるよ」
さ「へっ…?」
そ「俺らがみんな一緒の学生生活は終わりかもしれないけど、もう堪能したんだし…俺は飽きた」
しんみりムードを蹴散らすようなそらるの声が砂浜に響いた。
う「…そうだね。高校卒業しても、今に負けないほど楽しめばいいよ。……ほら、早く戻ろう!!」
うらたくんが足についた砂をパンパンと払いながら勢いよくたった。
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ハル - 僕も歌テストあったな。もちろん、最高得点より上の12点だけど、作者さんは歌嫌いなんですか?僕は大好きです! (2022年1月26日 22時) (レス) @page10 id: c9337234ed (このIDを非表示/違反報告)
狸です。 - 速くない? (2019年4月7日 19時) (レス) id: d89b3db748 (このIDを非表示/違反報告)
狸です。 - 聞いて良い? さかたんは50メートル何秒? (2019年4月7日 19時) (レス) id: d89b3db748 (このIDを非表示/違反報告)
名無し先生@男主製造者(プロフ) - 杏奈さん» わざわざありがとうございます!!沖縄弁が変換で出てきたので合ってるかと軽く使ってしまいました^^; 修正させていただきます!あお指ありがとうございました! (2018年7月9日 10時) (レス) id: 7c6295ab3b (このIDを非表示/違反報告)
杏奈(プロフ) - 沖縄弁…ここでは、方言って言うんで、沖縄弁は、存在しない?と思います。沖縄在住の者より。 (2018年7月8日 18時) (レス) id: 933a615838 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無し先生@男主製造機 | 作成日時:2018年5月17日 19時