むさ苦しい男共がいる部屋 (ページ41)

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トラファルガー・ローの反抗期ページ41

ロシ「俺達の事、図鑑か何かでわかるってなら…知ってるだろ？ローの過去の事…
…彼奴は幼くして…家族も友達も故郷も、全てを目の前で失った。それも…海軍の手で

そんで自暴自棄になってファミリーの元に来て…あんな小せェのに「目に入るもの全て壊したい」なんてさぁ…」

コラさんはそこまで言うと、開いていた手をグッと強く握り締めた

ロシ「そんな子が、ようやく笑ってくれた…ようやく前を向けたんだ。自由を手にして、仲間と肩を並べて歩けるんだ！

…そんな時に、思い出しちまったんじゃねぇかなぁ……両親をさ」

今更気づいたところでもう遅過ぎた
誰からも注がれる事がないだろう唯一無二の愛情を、もう触れることすら出来ない。何処かに消えて無くなってしまった世界が恋しくなる

ぶつけようのない後悔を、八つ当たりする事が出来ない

ロシ「…だからアレは、ローにとっての精一杯の反抗期なんだ。親が愛して育ててくれた身体を傷付ける事だけが、ローにとって唯一親と繋がれると感じた…反抗期なんじゃねぇかな」

僕はそこまで言われると、何となくだが「遅い反抗期説」が一番胸の中にすとんと収まった気がした
本格的に涙を流し始めるコラさんに、ポッケに入れてたハンカチを渡す。コラさんはハンカチを受け取ると涙を拭って鼻声で礼を言った

『…未来の事、一つだけ教えようか』

僕はそう、ふと情に流されつい口にした
僕の言葉にコラさんは鼻声のまま、聞き返す様にえ？と零す

『トラファルガー、彼奴大人になって…海賊になって…オペオペの能力もあるんだろうけど…』

彼奴の異名、「死の外科医」なんだよね

病院嫌いの彼にとって、その異名は皮肉だったかもしれない。だけどそれと同時に、コラさんは僕の言葉の真意を知って収まり始めていた涙を更に流し始めた

そんなコラさんの様子に気付いてか、トラファルガーが再びこちらにやってきて防音壁内に入ってくれば僕の胸倉を掴んできた
それを野次馬共は止めに入ったが勢いは収まらず、どうしたもんかと頭を悩ませているとコラさんが止めに入ってくれた

コラさんはまだ涙を流したまんまだけど、コラさんのあの不細工な笑顔を見たらトラファルガーは僕の胸倉を離して大きく溜息を吐いた

そんなトラファルガーや僕、コラさんの様子に一部は首傾げていたけど、僕とコラさんだけは終始笑いが止まらなかった