むさ苦しい男共がいる部屋 (ページ5)

今日:12 hit、昨日:39 hit、合計:104,746 hit

胃痛は加速する事を知っているページ5

「取り敢えず…こうなると本気で色々考えないと面倒ですね。貴方を元の時代に返さないといけないし…いやむしろそんな返し方さえこの技術が発展した時代でも見出せないか…」

面倒ごとが増えた、と考えると自然と肩の荷が重くなる
しかしまぁ嫌な予感というのは続くものだ。正直シャボンディ諸島と明確な時間軸が判明してる今……下手したら三船長全員ここに集結なんてあり得なくないのだ

何故だと聞かれても、そんなのキャラが逆トリした時点で説明しようがないが

「…よくわかんねェけど、帰れねぇのか？」

不意にそう、ユースタス・キッドが問いかけてきた。僕は彼の顔を見ると、何処となくその表情には悲しげな雰囲気を感じる

僕は少し考える素振りを見せてから、こう答えた

「入口があるのに出口がない、なんてあり得ないでしょう」

彼にも野望があるのだ。(確か)ひとつなぎの大秘宝、ワンピースという宝を手に入れる野望が
こんな訳わからん出来事で、夢を壊されちゃたまったもんじゃないだろう。僕はそんな物理学者なんか目指してないしどうすればいいかもわからないけど

それでも僕は、彼を元の時代に返してやりたい。そう思った

「…おめェ、なんていうんだ」

唐突だな、と思いながらユースタス・キッドの問い掛けに答える

「倅屋、です」

セガレヤか、と呟くユースタス・キッド。彼は少し考えてから、僕を見つめ直して宜しくな、と笑顔で答えた

「…まぁ、帰るまでの間…宜しくです」

僕がそう答えると、ユースタス・キッドは満足そうにまた笑った

ドン！
また聞き覚えのある音が、先程扉を閉めた物置部屋から聞こえた