むさ苦しい男共がいる部屋 (ページ19)

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死人は微笑むページ19

ドン！
嗚呼ほら、予想通り一人来た。もう説明は中の人連れて来てからでもいいよね

「もう誰でも怖くない(気がする)」

「それ、絶対部屋の先に自分の怖いと思う人がいて嘆く伏線だぞ」

まさかフラグを知らないキッドに遠回しにフラグ立てたと言われるとは思わなかった、解せぬ。取り敢えずと、扉を開いて中を覗いてみれば、中には仰向けに寝転がっている人影が見えた

人影はずっと天井を見つめ(？)ていて、僕が扉を開けても10秒は反応を示さなかった

「…誰だ、アンタ」

そう聞き返すのはやはり男性で、僕は構わず話を切り出す

「話は此方に来てからだと助かります。貴方と同じ説明をしなきゃいけない人が、もう一人いるんで」

「…そうかァ…ちょっと、待ってな。まだ痛覚が残ってて起き上がれそうにないんだ…」

痛覚？ここに来る前に、戦闘でもして傷を負ってたのだろうか。手当しようかとも思ったが、言い方的にもう怪我は無さそうだ

「起き上がるの、手伝いますか？
無理に立って動けとは言わないので」

「嗚呼…助かるよ、有難う」

いえ、と短く断れば部屋の中に入って寝転がる相手の下まで来る。なんだろう、今電気消しててカーテン締め切ってるのもあるから見え難いけど、なんか凄いやっぱり見覚えがある

そう思いながら軽く屈み込んで手を差し出せば、相手は朧げながら腕を動かし僕の手を掴んで力を込めて起き上がった

見覚えのあるハートが、僕の目の前を掠った

「……トラファルガー、来て」

「…あ？怪我人か…」

「そうじゃないけど、早く来て」

僕がそう、暗闇越しにトラファルガーを急かせばトラファルガーは軽く早歩きで部屋まで来て入った

「トラファルガー、朗報だよ」

「…誰だよ、結局」

暗闇に目が慣れて来た。トラファルガーはまだ見えてないのだろう、目の前の彼の顔が。けどきっと、すぐにわかる
その顔は嫌でも、君は一度でも忘れなかった筈だ

「…君の、大切な人だ」

僕はそう言うと、立ち上がって部屋の電気のスイッチを押す。ぴか、と小さな電気音と共に部屋は明るくなる。そうして見える人影は、トラファルガーを見て心底嬉しそうに微笑んだ

「…ロー、大きくなってるなぁ」

トラファルガーも、彼の姿を見て目を見開いて呟く様な小さな電気な声で彼の名を呼んだ

「……コラさん？」

スモーカーさんの次にやって来たのは、海軍出身の諜報員。ある意味トラファルガーの育ての親でもある、ドンキホーテ・ロシナンテだった