感動なんて無いんだよ。【鬼滅の刃】

其ノ捌 ページ10

お「では、手紙を」


ひ「はい」


そう言って御息女のひなき様が手紙をお読み始めます。


内容は元柱である方が、禰豆子は飢餓状態であっても鬼を喰わず、二年以上の歳月がすぎ、禰豆子が人に襲いかかった場合は、竈門炭治郎及び、鱗滝左近次、冨岡義勇が腹を切って詫びる、というものでした。


それを聞いて剣士は涙を流しています。


私はその手紙を聞き、腸が煮えくり返る思いです。そんなこと、どうでもいいんです。死んだってどうにもならないじゃないですか。冨岡さんは馬鹿なんですかね。


不「……切腹するから何だと言うのか。死にたいなら勝手に死に腐れよ。何の保証にもなりはしません」


煉「不死川の言う通りです！人を喰い殺せば取り返しがつかない！！殺された人は戻らない！」


『にわかには信じ難い話ですね。本当だとしても襲わないとは限りません』


お「確かにそうだね。人を襲わないという保証ができない。証明ができない。ただ、人を襲うということもまた証明ができない」


不「！！」


お「禰豆子が二年以上もの間人を喰わずにいるという事実があり、禰豆子のために三人もの命がかけられている。これを否定するためには否定する側もそれ以上のものを差し出さなければならない」


不「…………っ」

煉「……むぅ！」

『………』


お「それに炭治郎は鬼舞辻と遭遇している」

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