感動なんて無いんだよ。【鬼滅の刃】

其ノ拾捌 ページ20

その後は煉獄さん、竈門隊士、我妻隊士、嘴平隊士が見舞いに来てくれた。


竈門隊士はAさんから嬉しそうな匂いがすると、まるで自分のことのように喜んでいた。


我妻隊士は幸せそうな音がすると、言ってくれた。かなり付きまとわれた。


嘴平隊士は綺麗などんぐりをくれた。治ったら勝負しろ！という台詞を残して去って行った。


煉獄さんは君が助けてくれたお陰で生きて帰ってこれた、感謝している。ととてもいい笑顔で言ってくれた。



みんなの言葉に嬉しくなって芯から温かくなる感じがした。これが騙呉さんの言っていた"自分"なのだろうか。






けれど少し悩みがあって、寝る度に夢に誰かが出てくるんだ。

その人は見覚えがあるはずなのに思い出せない。夢で姿をきちんと見ても夢から醒めたら、全て忘れてしまう。ただ一つだけ覚えているのはまった花弁。
とても綺麗で、この世の全てを詰めたような透き通る美しさ。息を呑むほど美しかった。


ただその花弁が邪魔をして肝心のあの人を遮る。



掴みたいと手を伸ばしても届かない。近く感じても実際は星の距離ほど遠いような距離だ。





ただその人が誰なのか、突き止められれば私は安心するんだろう。

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