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其ノ拾肆 ページ16

そんな言い難い雰囲気になっていると

「切符拝見致します…」

と、どこからともなく車掌さんが現れた。


『あ、はい』

私は慌てて切符を取り出し車掌さんに渡す。
車掌さんが切符を切ると何故か眠気に襲われた。ここには鬼が出るし寝ちゃいけないと思ったけれど欲に逆らう事はできなかった。









『どこ……ここ』

目が覚めると広い広い野原にいた。風がそよいで私の頬を掠める。草はゆらゆらと揺れており、見ていて心地が良くなって来る。私がこの場所について思い出そうとすると一人の人が此方に近ずいてきた。

「A!!またここにいたの?早く行こう?」


この人は見覚えがある。どこかで見たんだ。


「A。舞が待ってるよ?」


ハッと息を飲む。そして全てを思い出す。
そうだ。これは私が鬼殺隊に入る前に一緒に居た、紗都と舞だ。舞は口より行動が先にでる子で、紗都は用心深い子だった。


そうだ。なんで忘れて居たんだろう。封印した記憶が蘇って何故か涙が流れた。


「ちょっとA!?大丈夫!?と、とりあえず舞の所行こう?」


手を引っ張られて野原を抜け、人里を抜け洞窟へ入る。
そこには緑の着物を着た、女の子が居た。


舞だ。


直感的にそう思った。
その事実に気付いてまた泣いてしまう。

そんな私にびっくりして舞は慌てる。


「ちょっとちょっとどうしちゃったのさA!!」


「どうもこうも無いわよ。さっきからこうなの!!」


二人が言い争いをしているのを私は眺めていて、その風景にクスッと笑ってしまう。


そんな二人は私を見てまるで不思議だとでも言うような顔をする。


「今日のAは一段と変なのね」


『別に私は変じゃ無いけどね』

紗都の言葉に私は笑いながら答える。

そこに舞が怪訝な顔をして、


「Aはこんな事してていいの?」


と、突然変な事を言い出した。

こんな事ってなんだと思っていると、紗都が悲しそうな顔をして言った。


「そうね。Aはまだ"人を守るという役目"があるものね」


「あと"愛される事"もね」


舞は笑いながらそう言って、私に日輪刀を渡して来た。どこで拾ったのかは分からないけどその刀は正しく私の日輪刀だった。


「その刀で首を切って。Aはここにいたらいけないの」


私の脳内があの日のことで埋め尽くされる。
無惨にも酷い殺され方で殺された二人の死体。気持ちの悪い鬼。夢であって欲しいと願う心。感情と言うものが音を立てて割れる瞬間。その日、私は全てを失い、傷ついた。


「さあ早く」


その声に促される様にして私は自分の首を斬った。

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煮柚都(プロフ) - おk (2020年2月13日 23時) (レス) id: bf27443c25 (このIDを非表示/違反報告)
狐 兎 & 煮 柚 都(プロフ) - こっからとべるはず。 (2020年2月13日 20時) (レス) id: fbbc06fd8c (このIDを非表示/違反報告)
狐兎(プロフ) - よお。あのさ一応作ったよ。題名書いてないけど。題名は任せた。あと、作者の自己紹介。書いといてくだせぇ。注意も書き足したいことあったら書いてね。 (2020年2月13日 20時) (レス) id: 487b60512b (このIDを非表示/違反報告)
煮柚都(プロフ) - 雨歌さん» ありがとうございます!正直書いててそう思いました。はは (2020年1月27日 19時) (レス) id: bf27443c25 (このIDを非表示/違反報告)
雨歌 - 自分はここにいるから見失えませんけどねぇ。わからないですね。ははは。更新頑張ってください (2020年1月27日 16時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:煮柚都 | 作成日時:2020年1月7日 23時

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