323 薬vs エースside ページ30
いつの間にか手当を終えた満もカウンターの近くのソファーに移動して、
全員の声が届く範囲に揃った。
ト「エース。調子はどうなん、薬いる？」
とか聞かれて、
エ「いらん。トッポの薬を飲む方が調子悪なるわ。お前のん苦いねん」
それには、
ト「良薬口に苦しってことわざ知らん？ よく効く薬は苦いもんなんやで。
俺のはどこに売ってる薬よりよく効くねん」
エ「薬の世話になる程ちゃうわ」
ト「そんなん言うて、吐いてばっかりやと。胃を荒らすで」
エ「大丈夫や。毎回吐いてるんちゃうし」
ト「せやけど、調子悪いなら飲んだ方が早く治るやろ？」
エ「いらんから。出されても飲むか！」
に言い合いが続いてると、
ジャ「うっさいなあ、お前らの話、いっつもおんなじやろ。
ええ加減にせえよ。エースも変な意地張るなよ、
調子ええならええねん。トッポも無理に飲まさんでも、
必要なら飯に混ぜたるわ」
とか言い出して、
エ「はあ？ なんで飯に混ぜんねん。冗談でもそんなんするなよ」
ジャ「そうでもせんと、お前飲まんやろ」
エ「勝手にそんなんすなや、俺やっ……」
マ「うるさい！ そのやり取り、暇な時にやってくれ。それよりこっち」
と、あっさりと途切れさせられた。
俺にとっては死活問題やのに。
その時頭を過ったのは、過去にも飯に混ぜられてたんちゃうかってこと。
エ「マック、あと一つだけな。ジャッキー今までにやったことあるんか！」
って聞いたら、
マ「お前なぁ、ええ……」
ジャ「へえ、気が付いてなかったんか、それなら良かった」
呆れた声を出したマックを遮って、
ジャッキーの声がして、
その視線先に居たのがトッポやった。
二人でグルになっとったってことやんな。
ええ加減にして欲しいのは俺の方や。
エ「あのなあ……」
の声に続きは、
ア「エース、そこまでにせえ。もっと重要なことあるやろ」
一括したアーセナルに持って行かれた。
しかも満を除く全員の視線が俺に向いていて、
これ以上口を開いても俺に利はないと踏む。
エ「……」
黙りこんだ俺を見て、
マ「落ち着いたか。じゃあ、始めよか」
そこから身を乗り出したメンバー達を前に、
俺はなんも言えんようになった。
何が始まるんやろ。
もう意識は、そっちを向いていた。
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作者名：にと | 作成日時：2018年11月24日 23時
