321-2 喧嘩の元 トッポside ページ28
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辻「はあ？ 借金で苦しんどったんはお前やろ、
それを解決してもらっといて、知らんとかよう言うわ。
どの口が言うとんねん！」
満「どうにかしてくれとか言うてないわ。
そっちが勝手にしたんやろ！」
辻「エースがどんな思いで居ったとか、
ちょっとは考えてから言えよ」
満「それがなんやねん、暴力団潰しただけで、
どうせ始末屋としてやろ！
恩着せがましく言われてもな！
ああ、再就職先を準備してくれたんは、
お礼言わせてもらうわ。ありがとうな！」
う〜ん。かなりレベルの低いやり取りで、
さすがにこのままではまずいだろうと止めに入ったくらいだ。
辻尾にしてみれば、
エースが体を張ってまで守ってやるような価値を、
この満から感じかったとかそう言いそうやけど。
まあ、俺も今はそう思ってる。
何やねんこの言い合い、
子どもの喧嘩か？
ただ、この後がアカンかった。
辻「なんも有難くなんか思ってないやろ、
何やねん、その上から目線は！」
満「はあ？ お礼やって言うてんの、
耳遠いんちゃう、耳鼻科行けよ」
辻「……なんで、エースはこんな奴のために体を張ったんや！」
大声を上げる満の服を掴んだ手に、
一気に力が籠った。
辻尾の気持ちを表すように加えられる力で手が震えてる。
満「エース、エースって。あんた、エースの信者か！
ここには、もっと、居るやろ」
呆れたように言うてても、
服が締め付けられてその声は途切れがちになっている。
これでは首が絞まるって、
エースを連れて来たガムも加わって慌てて引き剥がす。
辻「なんも知らんってのは、ここまで残酷か？
エースはこんな奴のために、
組長に……抱かれたんか？」
満「えっ？」
真っすぐ睨み付ける視線と、
避けようとしてしていた視線が交わる。
ただ、最後の声はあまりにも小さくて、
傍にいる俺らでも聞き取りにくかった。
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作者名：にと | 作成日時：2018年11月24日 23時
