316-1 予想外の食事事情（過去話あり） エースside ページ17
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そんな状態が続いて、
気が付いたら固形物から流動食へと形態が変わり、
それすら口にしなくなり吐き出すようになると、
強引な方法を取ってきた。
「や、やめろっ。はな、せっ！」
抵抗するものの、
俺より体格のいい男数人に押さえつけられ、
しかも両手と両足をベッドに仰向けのまま四方へ拘束されれば、
体を捩るどころか腰を浮かせるのが精一杯の状態にされ、
その上、頭を上向きで押さえつけられれば声を限りに叫ぶしか出来ない。
「うるさい、静かにせえよ。嫌なら自分で食え！」
と頭の上で怒鳴られるが、
「嫌や！」
せいぜい言い返すのもこれくらい。
いつもなら食べ物を口に入れられるくらいやけど、
今日は違った。
押さえつける奴を睨み付ければ、
「口開けろや」
と、冷たく言い放つから、
意地でも開けたらんと歯を食いしばると、
鼻をつままれる。
「ん、んっ、……はっ、はぁはぁはぁ。……んぁ」
息が出来なくなり、たまらず口を開けると、
途端に口を大きく開けられると、
いつもの感触とは違うものが歯に当たる。
どう考えても食べられる物ではない。
「は、離せっ！」
って言うまでが最後、
金属特有の固く冷たい感じが口内を占める。
なにさらすんじゃあ！
と叫びたいのに、
口にあるものが邪魔して呻き声が出るだけになった。
これは世に言う
『さるぐつわ』ってことくらい俺にもわかる。
なんでこんなことを？
これでは食べ物を口に入れても呑み込めない。
何かを食べさせるにしても、
その目的自体を果たせなくなるはずやのに、
なんでこんなことされなアカンねん。
その疑問は新たなる行為で解決されたが、
すぐに次の疑問に行きあたる。
体を押さえつけられたうえ、さるぐつわのおかげで、
口を閉じられずにいる俺の口に、
長く白っぽいチューブを入れようとしてるのが見えた。
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作者名：にと | 作成日時：2018年11月24日 23時
