素晴らしい今日よ～黄～12 (ページ16)

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315　　計画的な食事事情（過去話あり）　エースside ページ16

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　組の地下室に監禁されてどれくらい経ったか、それも分からん。
　窓もなく入口すら分からんこの部屋に、無理やり押し込められて、
　今では外された首輪と鎖だが、裸のままなのは変わらない。

　どう頑張っても一人ではこの部屋から逃げ出せない。

　首輪を外させるために、大人しくなんでも受け入れたようとした。
　でも、それから先は何をどうしたらいいのか思いつかない。

　ここから出るには何が必要や。
　いや、何がなかったら出られるん？

　役に立つ間はいつまでもこ状態が続くなら、
　役に立たへんと思わせる必要がある。

　そのために俺に出来る……いや、
　出来なくなるようにするギリギリに賭けることにした。

「てめえ、さっさと食えよ」

　食事を口にしなくなってからどれくらい経ったろうか、
　最初は故意に食べなかった。

　でも、

　今は、食べない時間が長くなると、
　正真正銘食べ物を受け付けなくなった。
　口に入れてもすぐに吐き出したし、
　最近では見るだけで吐き気がする。

　食べない時間が長くなれば、
　あの男(組長)の相手が出来なくなり、
　その結果面倒みる担当者がその責めを負わざるを得なくなり、
　自分たちの不利になる事象は避けたいと思うことは、
　なんら不思議はない。

　けど、俺はここを出るためなら、
　この体がどうなってもいいと思ってる。

　それどころか死んでもええから、
　ここから出たい。

　こんな理不尽な状況を一時たりとも受け入れられない。

　この時の俺には子どもの心配を出来てたかについては、
　自信がない。

　食べなくなると、俺の好物ばかりが口に運ばれる。
　最初は唐揚げやったり生姜焼きやったり、
　そのうち焼きそばになり果物まで、
　それも季節がいつか分からんけど、
　イチゴとか桃とかマンゴーとか
　なんか知らんけど俺のご機嫌をとるみたいな行動をしてる。

　そこまでするなら、
　『俺を解放しろ』それなら何でも食べてやから。

　そう言いたい。

　いつしかそういった食べ物を無理やり口に押し込み、
　無理やり咀嚼させ飲み込ませようとするが、
　俺はその頃にはもう飲み込むのを諦めた。

　体が拒否していたからか、
　どんだけの人数かけても俺に食べさせるのは無理やった。

　この頃気が付いたら辻尾の姿を見かけなくなった。

　後で聞いた話やと、
　俺に食べさせることも出来んのかって早々に役割を外され、
　部屋へ来れなくなっていたらしい。