313-1 拒否：防衛 マックside ページ13
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それには理由があるんやろ？
そう言うと、辻尾が口を開いた。
辻「ああ、それは……俺らが無理やり食べさせたから」
と、口調はこれまでで一番重い。
ア「無理やり？」
果物を無理やりって、意味が分からん。
エースが果物を嫌がるのをそれまで見たことがなかったから。
辻「なんも食べんようになって、
好きなモンなら食べるやろって思って準備しても、
全く手を付けへんから口に突っ込んででも食べさせようとした。
それまでは口にした物を吐き出すから、
吐き出させへんように口塞いだりとか、
力任せに口に入れててん」
呆れて言葉もない俺らに、
すまなそうな視線を向けると、
辻「でも、なんか食べんと体がもたんし、
どうにか食べさせようと、エースのためをって。
それでもエースは抵抗しかせんかったから」
わざとかどうかは別として、
辻尾は淡々と話す。
辻「果物は最後の 手段やってん、最初の 頃はきちんと食べてたし、
果物についてはいつも完食してたから。
これならいけるやろってそんな甘い考えも、
エースには通じんかった。
それこそ逃げるエースを押さえつけて、
力づくで口開けさせて、
飲み込むまで息できんように口と鼻塞いだりとか、
何が何でも食べさせようとしたから」
って言うから、
ト「……なんでそこまで」
言葉を絞り出す。
辻「俺らが怒られるから。シバかれたくなくてな。
なんとかエースが食べれば、俺らはお咎めなしやったから。
自己保身で、エースの事情とかなんも考えてへんかった。
ちょっとは考えてたで、でも、俺も必死やってん」
辻尾の立場を知ってるだけに、
誰も責める言葉を口に出せずにいて、
それでも、
納得はしてない訳で。
って、そん中を、
満「それって、どういう状況？
そもそも無理やりとかなんか変やん。
食べるのが嫌でも、それはアカンやろ？」
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作者名：にと | 作成日時：2018年11月24日 23時
