403-1 あの日の思い ： no･side ページ32
．
亮「ありがとう。みんなの気持ちはめちゃくちゃ嬉しい。
今日ここで会えて、
みんなと一緒に卒業出来て良かったと思ってる。
みんなの気持ちに応えられたかどうかは分からんけど
ここに来れて良かった。
それにみんなは俺にとって、
最後の同級生になるかもしれへん。
友達で居てくれてありがとう」
時々つかえながら一言一言を丁寧につなぐ亮の言葉を、
教室の中にいる者全員で聞いて、
話してる亮をじっと見つめている者、
俯いている者、すすり泣く者、
それぞれの心に亮の言葉はしみ込んでいく。
「決まってるやろ、亮はここに来てくれた。それがどれだけ嬉しいと思う？」
「そうや、俺ら待ってるって言うてたやろ」
「めっちゃ嬉しいねんで！」
「クラス全員揃って卒業出来るんやで、最高やん！」
そこまで聞いて、立っていた亮はゆっくりと椅子に座ると、
亮「ごめん。ちょっと座るわ。あ、大丈夫やで。調子悪くなったんちゃうから」
大き息をはき出して言うから、
「ホンマに？」
「大丈夫なん？」
前の席の生徒が何人か立ち上がる。
その動きを止めるように、
亮「そのままでええよ。大丈夫やし」
笑顔で言うと、立ち上がった生徒が改めて席に着いた。
そんな中を一人の生徒が立って亮に近寄って来て、
教壇下のちょうど亮の目の前の位置に立つと、
「ちょっと、ええか？」
亮「えっ、どうしたん？ ･･････亨」
そう言って、見上げた亮の顔を見下ろした。
亨「俺な、どうしても今日亮に言いたい事があるんやけど？」
真面目な顔でいつもより低い声がして、
亮もその真剣さに圧倒されたのか、
亮「お、おん。ええけど･･････なに？」
亮まで緊張してる。
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作者名：にと | 作成日時：2017年8月19日 21時
