399-1 事件簿（どうしよ 編） ： 章大side ページ20
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いつの間にか、こんなに時間って経ってるもんやと思った。
僕は亮兄をまだ『亮兄』とまだ呼んでなかった時の
『事件』と呼んでも差し支えなさそうな出来事が頭に浮かんだ。
亮兄が、初めて僕に向かって大声で叫んだ時のことを、
しかもあれ以来で、初めて思い出した。
なんか恥ずかしいなあ。
でも、嬉しかった。
亮と初めて本気になれた気がしたし。
……。
いつもパートしてるお母さんより、
小学校組が早く帰るからって、
いつも準備されてるおやつ。
あの日も学校から帰ってくると、
おやつがテーブルに置いてあった。
その日はカップケーキがお皿に並んでて、
一人あたり三個は食べれるなって思ったんや。
けど、
食べ始めたら思ったより美味しくて、
もっと食べたいって思った。
それを後から帰ってきた亮が、
亮「俺、食べへんから、俺の分食べてええよ」
って、言うてくれて、
章「亮、ええの？ ホンマ？」
よほど嬉しそうに言うたみたいで、
亮はニコニコしながら、
亮「ええよ」
って、もう一回言うて、
僕のお皿に自分の分を乗せてくれた。
章「ありがとう」
って言うてから、
それも食べて、
お皿片付けようと立ち上がったら、
ガッシャン、バリンッ。コロコロッ！
って、音と一緒に、
まだカップケーキが乗ってる大きいお皿が、
カップケーキを乗せたままテーブルの下に落ちてしまってた。
多分、カップケーキにかぶせてあったラップの端が、
僕の持ってた小さいお皿にも引っ付いてたのに気が付かなくて、
そのまま移動したから落っこちたみたいやけど。
その時はそんなん気が付かんかったし、
それよりも
お兄達のカップケーキを落としたってことがショックで、
みんながどれほどおやつを楽しみにしてるか知ってるから、
余計に･･････怖くなった。
そこに、
亮「章ちゃん、大丈夫？ 怪我とかしてへん、足の上に落ちたとかないよな？」
って、テレビを見てた亮が駆け寄ってきて、
落ちてしまったカップケーキを集めながら
僕の心配をしてくれる。
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作者名：にと | 作成日時：2017年8月19日 21時
