397-1 運動会 ： 隆平side ページ13
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どうしたって運動会ってなかなか忙しい。
特に係の仕事が多くて、
高学年の係がちゃんと準備しないと、
プログラムの進行に関わってくる。
例えば準備係が、
会場であるグランドに
次の 種目に必要なものを必要な場所に配置するのと、
次の 種目に出る選手や学年を入場門に集合させるのが同時進行やし、
それらの準備が出来たら、
本部の放送係が入場のアナウンスと入場曲を流して、
係が誘導するっていう、一連流れが必要やし。
終わったらさっさと片づけて次の 種目の準備がこれも同時進行。
なんもかんもが、関わる全員の息を合わせて行われる。
そうやって一日中、
みんなが協力して運動会が成立する。
っていうのを五年生になった去年、初めて係をして、
身をもって知った。
先輩たちってこんなんしてくれてたんやって。
で、今年は僕らが五年生を引っ張っていく役割もあって、
気合は十分やった。
もちろん、章ちゃんが入学してきて初めてやし、
一年生の徒競走は、最前列で応援するつもり。
やって、弟の徒競走やで？ 当然やろ！
それに僕にとって初めて『弟の応援』が出来るんやで。
嬉しいやんか。
しかも章ちゃん、リレーのアンカーもするんやで、
もう、嬉しさマックスやん！
さすが僕の弟や。
そう言ってる間に、
章ちゃんの徒競走の順番が来て、
ゴール手前のコース脇に陣取って手を振ったら、
スタート前で控えてる章ちゃんが手を振り返してくれた。
なんや、緊張してないんかな？
僕の方が緊張してきたわ。
そう思ってる間に、
一位でゴールした章ちゃんは、
満面の笑みやった。
嬉しかったなあ。
もちろん僕らも頑張ったで、
リレーで俺らのクラスも、
アンカーの僕が全部抜かして一位やったしな。
バトンもらった時点で、
全部抜かしてやる気満々やったから、
負ける気もせんかったけど。
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作者名：にと | 作成日時：2017年8月19日 21時
