361-2 通じた気持ち ： 亮side ページ43
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二人の会話はほとんど喧嘩腰やのに、
ふざけてるようにしか聞こえない。
仲ええなあって思ってまう。
二人の様子をぼうっと見てたら、
裕「亮、ほな後でな。すばるも早よ帰りや、
お前も仕事やろ！」
す「おう」
う〜ん、一言か。はは……。
裕兄はそう言いながら部屋を出ていく。
その後ろ姿を目で追ってたら、
す「でも、裕の言う通りやな。亮も休んだ方がええやろ？
寝るまで居ったるから寝てええよ」
そう言いながら、
横になってる俺の 手を握ってくれる。
亮「おん、ありがと。すば兄もお仕事頑張って。
でも、歌も楽しみにしてるな」
って、言うたら、
す「久しぶりに子守歌、歌ったろか？」
とか、嫌味な顔して言うてる。
亮「ええ、ええの？
いや、やっぱやめてぇや、恥ずいやん」
絶対顔赤いやろ？ って思ってたら、
す「何照れてんねん！ 俺も照れるやんか」
二人の顔が赤いまま、
す「早よ、寝え」
と、布団をきっちり肩まで掛けられる。
それにも恥ずかしさを覚えて、
布団を頭までかぶると、
その布団の上から、
手を繋いでない方の 手でトントンとされる。
それが恥ずかしけど、嬉しさもあって
『やめて』とは言えず、
すば兄の心地よいリズムに、
俺の意識はこの空間にふぅっと溶けていった。
： すばるside
す「寝た？ ほな、俺帰るな。また来るし」
そう言うて布団から少しだけ出てる頭を撫でると、
微笑んだ気がして『起きてへんよな』とか思った。
手に残る亮の温もりを感じながら、
す「さて、帰りますか。って、仕事仕事っと」
亮と通じた嬉しい気持ちのまま、病室を後にした。
す「明日も来よ」
足取り軽いわぁ！
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作者名：にと | 作成日時：2017年4月15日 22時
