361-1 通じた気持ち ： 亮side ページ42
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すば兄と話してたら思い切り空気を変えられた。
せっかくちゃんとした話を出来てたのに、
なんか邪魔された気がして、
思い切り裕兄を睨んだった。
そしたら、
裕「何、怖い顔してんねん」
呆れたように言われても、
それに素直に答える気はせえへんし、って思ってたら、
す「邪魔やねん」
と一言で切られてる。
けど、
裕「何が？ 俺が心配して来てみれば、
なんや知らんけど真剣な顔して話してるし」
そう言いながら、
なんの違和感もなく俺の脈診てるし、聴診まで。
裕「モニターで亮の脈速なってるし、なんかあったって思うやろ！」
診察終わりにシレッと言われて、
亮「え、そうなん？ 俺、何ともないで？」
って返すと、
裕「そうみたいやな。亮はすばるが好きやったもんな。
そのすばると二人で話してるんやもんな、
そりゃ、速くもなるか」
半分くらい呆れられてる。でも、
裕「すっきりした顔してるな。よかった」
と頭を撫でてくる。
その 手が目尻まで降りてくると、
裕「嬉しすぎて泣いたんか？」
と拭ってくれる。
亮「え？ いや、その……」
なんでか口ごもった。
それには、
裕「何？ 言いにくいんか？
まあええわ。なんでもないんやろ？」
気を利かせてくれて、
俺の顔を覗き込む。
亮「おん、大丈夫」
それに笑顔で返すと、頷いてから、
裕「すばるもあんまり刺激すなよ。
なんかあったら、どうすんねん！」
内容はともかく、言い方は軽い。
す「なんもないわ！ ただのコミュニケーションや」
ふざけた言い方で言うと、
裕「何がコミュニケーションや、亮を興奮させるなよ。
今、大事な時なんやから」
真剣な言い方で応じてるし、
す「いちいち言われんでも、分かってるわ！
もうなんもないんならさっさと仕事行けや」
そっけなく言うと、
裕「失礼やな、遊びに来たんちゃうわ。これも仕事や！
でも、ま、もう行くわ。なんかあったら言うてや」
す「なんもないわ！ 早よ行けや」
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作者名：にと | 作成日時：2017年4月15日 22時
