360-3 イミ ： 亮side ページ41
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亮「なあ、俺が発作とか起こした時も
歌ってくれてたん、今までずっと？」
そう言うたら、
顔色が変わったすば兄。
やっぱりとしか思われへんけど、
なら、
亮「俺な、さっきも言うたけど、聞こえてたと思うで。
そりゃはっきり言い切られへん、けど、そう思う。
発作起こして長いこと目を覚まさんかった時にも、
歌ってくれてたんやろ？
今のすば兄の言葉で確信した。
やってその声もっと聴きたくて目を開けたんやで？
俺、すば兄にも何回も助けられた。
もちろんみんなにもやけど。
それでもすば兄のおかげで、
俺、今ここに居るんちゃうかな」
そう言うても、
もちろんはっきりは分からんけど、
それでも自信があった。
す「･･････いや、でも、」
亮「歌ってくれてたんは、俺を呼び戻してくれるため。
俺を家族にもう一回会わせてくれるそのためやったんや？
やから、どんな状況でもちゃんと歌えるように、
いろんな場所で歌ってくれたんやろ？」
俺がどんな状況になってても、
動揺せんと歌えるようにって。
なんか嬉しなるやんか。暗いこと考えんかったらやけど。
す「･･････そうやな。亮とこうやって話すために、
俺らの兄弟で、家族の傍に戻って来いって、
そう思って歌った事は、数えきれんほどあるな」
なんか二人して、
目に涙を浮かべてる。
す・亮「「 ありがとう 」」
それ以外なんもいらんかった。
すば兄の『ありがとう』は、
生きててくれてやろうし、
もしかしたら、
戻って来てくれてかもしれん。
俺のは、
傍に居てくれてどんなに過酷な時でも歌ってくれてて、
それに触発されたから俺はここに居る。
みんなに会える。
それに対しての『ありがとう』やし。
手を握って、
なんか
今生の別れか再会か、
そんな空気やった。
裕「おーい。二人とも何やってん？」
それを全く無視した、
めちゃくちゃかる〜い声が
俺らの間に入って来た。
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作者名：にと | 作成日時：2017年4月15日 22時
