358 リクエスト？ ： すばるside ページ37
.
打ち合わせが終わってからいつものように亮の病室に行くと、
いつも通り裕が居ったんやけど他にも人が居て、
その中に聞き慣れたそれでも懐かしい声も混じってて、
なんだか楽しそうに聞こえてきた。
それも、なんか訳ありやし、
真剣というかまじめというか、
さみしがりというか、
なんかこっちも面白くなってきて、
ホンマはまだしばらく聞いていようと思ってたのに、
声が出てもうた。
それには、
俺自身も最初は驚いたけど、
それでも出てもうたもんはしゃあないと踏ん切りつけて、
会話に加わった。
でも、それなりにその場を楽しめたし、
なにより隆平の顔を見れたのも収穫やったな。
亮も嬉しそうにしてた。
俺の一言でしばらくの間になるやろうけど、
隆平にも会えるってなったら、
そりゃ嬉しいか。
とか思ってたけど、
亮「すば兄、ねえって！ なあなあ、
今度は何聴かせてくれるん？ もう決まってるん？」
今は音楽会を楽しみにしてると言わんばかりに、
興味津々に訊いてくる亮に、
す「ちょっとは決まってるけど、本格的にはこれからやな。
何？ なんかリクエストか？」
って言うただけで、
亮「リクエストとか、そんな具体的なんちゃうけど、
気になってん。何が決まってるん？」
目をキラキラさせてるし。
す「ああ、そうやな･･････って言うかいな。
当日までのお楽しみや。
やから、体調崩さんように大人しいしときや」
亮「ええ？ 教えてくれてもええやんか！」
す「楽しみは、とっといたらもっと大きいなるやん？
絶対、期待は裏切らんで」
そう言うたら、嬉しそうに顔を赤らめる。
そんな顔見るのも、俺にとって何よりの癒しやし。
俺は亮と過ごすこの時間がいつもの楽しみで、
機会を見つけては亮の部屋に足を運ぶようになってる。
亮が入院する前は家に帰ってのんびり過ごしてた。
今は少しでも亮のそばに居たいとしか思ってない。
さすがに時間が長引けば亮を疲れさせてしまうし、
それで体調を崩してもアカンしな。
無理させんようには気を遣うで。
359 ええの？ ： すばるside→←357-2 言い合い？ ： 裕side
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 99人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にと | 作成日時：2017年4月15日 22時
