102-3 誤解 ： 章大side ページ45
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そこまで言って、僕を改めて見直して、
裕「進君のことを悲しんでない子はいないんやで、
ただ、それを声に出すのが怖いねん。
『死にたくない』
ってみんな思ってるから。
自分は大丈夫って思いたいから。
悲しいけど、
悲しんだらその分自分の気持ちが沈んでしまいそうで怖いから、
口にしてないんやで？
それ、分かったってくれへん？
『死ぬ』ってことは
章大みたいに元気な子には『他人事』やけど、
ここにいる子には『自分のことと一緒』やねん」
そこまで聞いて、そういえば亮も同じことを言ってたなって思った。
確か『他人事のように思われへん』やったかな？
それって、亮も……なん？
裕「章大？ 聞いてる？ どうした、気分悪なった？ 章大！」
って体を揺さぶられて、考えてたんだと思った。
章「ううん。大丈夫。……分かった。なんとなく裕兄の言うこと分かった気がする。
僕が言い過ぎたのがアカンかったんやろ？」
と、思ったことを口にすると、
裕「ありがとう。それと、これはあくまでも確認やけど、
三年前の事故のことでも思いだしたんかもって思ったんやけど、違う？」
裕兄のいいたいことが何か分からんかって、
章「なんのこと？」
って、首をかしげながら言うと、
裕「いや、違ったらそれでいいんやけどな？ ちょっと気になっただけやから。
……分かってくれて良かった。
もう部屋で休んどき。昼寝の時間やし……な」
と、その後部屋に戻った。
みんな昼寝中で、
僕もベッドに入ってしばらく考えてたけど、いつの間にか眠ってった。
その日の夕食は、気まずくて部屋で取った。
なんか食堂に行きにくかったから。
部屋でも挨拶くらいしかしてなくて、
でも、みんなの方から声かけてくれて、
明日は食堂に行こうかなって、そう思った。
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作者名：にと | 作成日時：2016年6月28日 15時
