100 心の位置 ： 裕side ページ41
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亮の部屋を出てすぐ、呼び止められた。
看「横山先生。外来から呼ばれてます」
裕「はい、すぐ行きます」
仕方なくそのまま外来に駆けつける。
そうや、今日は検査が立て込んでたんや。
のんびりしてる間はなかったな。
章大んとこはまた後で顔を出すか。
そう思ってたのは、間違いやったんかな、
そう感じたのは、お昼を済ませた後やった。
詰め込まれたいろんな検査終わらせて、
いつも通り病棟に戻ってきた時やった、
どこかで揉める子供の声が聞こえてきたのは。
聞き覚えがある声やったから、慌ててそこへ駆けつけると、
章大が何人かと揉めてた。
何がどうなってるか分からなくて、
状況を確認したくて、
近くにいた比較的大きい子に声をかけると、
要「章大君が変なこと言うてきたんやで！
俺らがなんか薄情なんやって」
と、こちらも興奮して声を荒げる。
確か章大と同室やったなと思い直して、
裕「いつから？」
そう言うと、
直「院内学級から帰ってきたら、いきなり言うてん」
裕「なんて？」
直「進君が死んだのに、平気で勉強出来るんや。
なんでそんなに平気なん？
僕は、出来へんって、言うてん。
どう思う？
俺ら平気やと思う？ 横山先生！」
こっちはそれ以上に興奮してて、
これはこれでどうにかせんと。
しかもここにいるほとんどの子を敵に回して、
それでも後に引こうとはしないで、
章「みんなおかしい。人が死んだんやで、
なんでなんもなかったみたいにいつも通りで居れるん？
おかしいって、悲しくないん？
進君死んだのに、なんでいつも通りにご飯も食べて、勉強してって出来るん！」
興奮の域をかなり超えて、もう、周りが見えてない。
そこまで興奮させる何があったんやろ？
朝、亮と話してても納得はしてなさそうやったけど、
でも、ここまでに至る何かがあったはずやん？
それはなんなんやろ。
それと、進君と、この短期間の間に仲良くなれたのは、
良かったような悪かったような、なんか複雑や。
裕「章大、ちょっと落ち着き」
って、言葉が届いてるとは思われへんけど、
とりあえず抵抗する章大を抱えて、詰所横の面談室に連れてくる。
あのまんまあそこで話しても、章大以外の子供にも良くないし、
何より一度落ち着かせんとなんも話も出来んし、
何にも解決せえへん。
101 心の行き違い ： 裕side→←99 いつもの朝って ： 章大side
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作者名：にと | 作成日時：2016年6月28日 15時
