72-1 風邪？ ： 章大side （おう吐表現あり） ページ5
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最近家の中で風邪が流行ってる。
最初は裕兄がひいてた、
でも、すぐ治るって気を許してたら、
タツ兄がひいて
その後すば兄。
その看病を一手に引き受けたのが、
僕の中で風邪をひいた記憶のない信兄。
めちゃくちゃ元気な信兄しか思い浮かばない。
さんざん世話焼いて、
『あぁ、もう疲れたわ』
って言ってた。
まあ、みんな信兄の看病のお陰で元気になったんやけどね。
そういえば、『亮が居らんで良かったわ』とも言ってた。
みんなが一応元気になってしばらくたった今朝、
今度はどうも僕らしい。
信兄に『移るから近づくな』って言われて、
出来るだけ近くに行かんようにしてたのに、
なんか気持ち悪いねん。
熱っぽい気もするし、
おなかも痛いし。
どうしよ。やっぱ言うた方がええよね？
でもこれ以上信兄に看病をしてもらうんは、なんか悪い気するんやけど。
でも、隠されへんな？
何とか下まで降りてきて、テーブルに着いたんやけど、欲しくないんよな。
食べるというより、出てきそう。
隆「章ちゃん、どうしたん？」
覗き込まれて、その途端いきなり吐き気が強くなった。
慌てて口押さえてトイレに駆け込んだ。
着くなり便器に顔突っ込んで、こみ上げてきた物を全部一気に吐き出した。
「うっ、げぇぇぇ、おぇぇぇぇっ！」
背中をさすってくれる手の感触を
どこか遠くに感じる。
気持ち悪さが際立つたび、戻し続けること十数分。
もう吐くものがなくなると、
信「まだ吐きそうか？ ちょっと落ち着いたんなら、一回リビング戻ろうか？」
それに頷くと、支えてくれてゆっくり歩いてソファーまで行きついた。
信「どうや、まだ気持ち悪い？
体熱いで、いつから調子悪かったんや？」
畳みかけるように聞いているようでも、
僕が答えるのを待ちながらゆっくり聞いてくれる、
ただ、僕が頷くだけ。
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作者名：にと | 作成日時：2016年6月28日 15時
