マイホームのpiece（かけら）～黄～ 3 (ページ32)

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94　　夜　：　章大side ページ32

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　夜になって、消灯の時間になって電気が消されて、眠ってたら

　部屋の中が騒がしくて目が覚めた。

　そしたら、看護師さんとかお医者さんがいっぱいいて、びっくりしてたら、
　自分のベッドに座った要君と目が合った。

　その顔が悲しそうで見てるのが辛かった。

　何かを口にする余裕もなくて、

　気が付いたらベッドのまま連れていかれる進君が見えた。

　顔色が悪くて、医者さんが今までで聞いたことがないくらいの大きな声で
　進君の名前を呼んでる。

医「進君！大丈夫だよ。これから楽にしてあげるから」

看「進君！痛いの楽にしようね」

医「進君！がんばれ！」

　バタバタしてたのが一気に静かになったのは、
　ベッドごといなくなった後だった。

　直正君もいつの間にか起きてて、顔色が青くなってた。

　誰も何も話さない。

　というか

　声に出すのが怖い。

　だって、さっきまでふざけたこと言い合って、

　ご飯だってほとんど食べて
　ゼリーが食べたいって言ってたのに。

　なのに、

　今はどうなったんやろ？

　よく分からんかった。

　でも、ちょっとしたら、看護師さんが来てくれて、

看「さあ、寝ようか」

　って、特になんの説明もなく寝るようにだけ促された。

　さすがに眠気もあって、気が付いたら眠ってた。

　朝になっても、まだ進君は帰ってきてなかった。

　でも新しいベッドがきれいなシーツをかけて置いてあった。

　進君の荷物も片づけてあって、

　まるで新しい人が入ってくるみたいに準備されてた。