マイホームのpiece（かけら）～黄～ 3 (ページ18)

今日:11 hit、昨日:0 hit、合計:111,498 hit

82　　初めての朝　：　章大side　ページ18

.
　いつの間にか朝になってた。

　酸素マスクはもういいよって、外してくれて、
　その方が息がしやすくなった。

　なんか自分の体やないみたいに、重たく感じるから、
　手術したんやなって自覚ができる。

　でも、昨日みたいな気持ち悪さはない。

　ちょっとおなかの下の方が痛いけど、
　昨日のように抱えるように痛くない。

　頭がちょっとボーっとするくらい。

看「どう、痛いところある？気持ち悪いとかは？」

　と、色々聞いてくれるけど、特にないねんな。
　点滴があって手が動かしにくいって言ったら、
　布団どかして、チューブを余裕があるようにしてくれた。
　その後は、割と自由が利くようになった。

　でも、ひとつだけ気になることがある。

　昨日はみんな帰ってから一人で寝てたら、
　すごく怖いような気がしてたのに、
　誰かに手を握ってもらってたら、
　そんなん感じんと寝れてん。

章「あの～」

看「なあに、章大君？」

章「夜って、誰かここに居てくれた？」

看「……どうして？私が夜は来てたけど」

章「うん。なんかね、夜が怖かったんだけど、手を握ってくれた気がして。
　おかげで寝れた。ありがとう」

　と言うと、看護師さんも戸惑ったように笑ってた。

看「そう、なら良かった。手くらいいつでも繋ぐから、いつでも言ってね」

　と、差し出された手を握った。

　でも、

　なんとなく……。

　気のせいかな。