79 手術後 ： 裕side ページ14
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広沢先生は、物腰が柔らかくて、優しい言い方をする先生で、
これなら章大も怖くないなって思えた。
広「特に問題なく終わりました。
後は、一週間ほどで退院できると思います。
今は麻酔が効いてますけど。そのうち覚めると思います。
痛みは、しばらくは出る前に痛み止めを使っていきますので、
そこまで痛くて泣きそうになるようなことはないと思いますけど、
章大君は痛みに強い方ですか？
それとも弱い方ですか？」
裕「普通だと思いますけど、でも、痛みに強いとは思いません」
信「でも、ケガしても結構うるさいで？
風呂入るのとか、『イタイ、イタイ』って、それに怖がってたしな。
手術っていうだけで」
忠「そうやな、そういえば『傷出来る』って言うてたな」
隆「どっちにしても、痛いんは、嫌やろ？」
広「分かりました。出来るだけ痛くないように気を付けます」
と笑いながら言ってくれた。
そろそろ病室行ってもらっていいですよ。目を覚ますと思いますし」
と席を立って、ドアを開けてくれた。
裕「ありがとうございます。これからもよろしくお願いします」
頭を下げて、部屋を出ると、
信「さて、章大のとこ行って安心させたろ。一人で心細かったやろうし」
廊下を歩いてると、
隆「もう、夜やねんな。外、真っ暗やん」
時間は九時を過ぎてて、窓から見える外の景色は来た時よりも暗くなってた。
裕「そうや、もう消灯の時間過ぎてるから、面会も今日はこれが最後やで。
章大も寝なアカンし、静かにな。
特に隆平。ええな？」
隆「な、なんで、僕だけぇ？」
信「隆平、無駄にうるさい時あるからな」
忠「そうや、いきなり大きな声出すもん」
隆「そんなぁ、ひどいわぁ」
と言うと、みんなで笑いあった。
と、すぐにみんなが人差し指を口に当てて、
全「「「「「 シィ〜ッ！ 」」」」」
顔を見合わせた。
80 終わったよ ： 信五side→←78 説得 ： 忠義side
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作者名：にと | 作成日時：2016年6月28日 15時
