85 お昼 : 章大side ページ22
.
寝てたら起こされて、お昼ご飯の時間やった。
同じ部屋の子はみんな食堂に集まって食べてるから、
一人でゆっくり食べられた。
おかゆさんやったし、すぐに食べ終わって、
でも、昨日からまともに食べてなかったから、
もうちょっとほしいなって思った。
それって調子ええってことやろ?
そんなことをぼーっと考えてたら、
裕「章大、どうや?」
って部屋に入ってきて、空になった僕の食器見て、
裕「えらいな、ちゃんと食べれてるやん」
頭撫でて褒めてくれた。
章「うん、美味しかった。まだ食べたいんやけど?」
と不満そうに甘えると、
裕「そうか、でも、ちょっとずつ食べような。
今はこれだけやけど、夕ご飯は少し増えると思うで?」
と、少し困った顔で言って、
『良かった』ってほっとした顔になった。
裕「それより、亮に会った? 昨日から心配してたで?」
裕兄の言葉には、どこか気まずい感じがしたけど、
章「まだ、会ってないよ。僕が寝てる間に来てたら分からんけど」
裕兄は『そうか』と言って、
裕「そのうち来るやろ? この病棟のこと詳しいから、分からん事あったら聞いたらええで。
なんでも答えてくれるやろうから」
章「分かった。でも、この後案内してくれはるて言うてたで?」
と、半ば不満そうに返すと、
裕「一週間だけやし、頑張ろうな」
と、仕事に戻って行った。
章「みんな、亮、亮って。もう嫌や」
つい声になってたみたいで、
入って来た同室の子らに聞かれた。
進「どうしたの? 大きな声で、亮君来たん?」
部屋に入るなり聞かれて戸惑ってると、
要「ホンマ、びっくりした。別にそこまで亮君のことと一緒にしてへんけど、
気にしてたんやったらゴメン」
直「ホンマや。兄弟言うても別人やって知ってるし、
それに章大君の方がなんでも出来そうやし、いろいろ聞きたいな?
もちろん元気になったらでええけど」
要「でも、一週間で帰れるんやろ? さっきの話では?」
なんか興味津々で聞いてくる三人。
章「そうやで、一週間で退院や、って言われた」
嬉しそうに言うと、
進・直「……」
黙り込んでしまった。
要「そうか、……早く帰れるんやな。まあ、元気やっていうことや、
じゃあ、一週間よろしくな」
86 食堂 : 章大side→←84-2 一日目 : 章大side
133人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にと | 作成日時:2016年6月28日 15時