かけがいない光：黄・緒（いとぐち） (ページ28)

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10-2　バハマ（もう一度会いたい）ページ28

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　二人に同じものを出す。

「これは？」

　忠義さんが口にして、

「バハマって言います」

　すると、丸が、

「意味って？」

「『もう一度会いたい』です」

　淡々と返すと、

「なんで、分かるんですか？」

　忠義さんが恐る恐る口から零す。

「何となく、そういう気がして。丸はそのまんまやし」

　笑顔を返す。

「……そうですか」

「言い方酷ない？っていうか、すごいな、村上君って。
　何も考えてないようでちゃんと分かるんやね」

　感心してるんは、伝わってくる。

「なんやねんその言い方。そう言うお前もやろが！」

　それには、

「まあね。忠義と同じような意味で、
　同じ人に会いたいと思ってるよ」

　その後、『やから、今日ここに来てん』と続けた。

「あの人、居る？」

　丸が口にした途端、忠義さんの顔が強張った。

「居るよ。お礼言いたいんやろ？でも、あいつ嫌がると思うで、
　言うたら今日来るか分からんから言わんかったけど、
　それでも会う？」

　そう言うたら、頷いた。