10-1 バハマ（もう一度会いたい） ページ27
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丸がここで飯食って帰った数日後、
丸から連絡が来て、てっきり請求かと思ったら、
亮の出勤日の確認やった。
それで、亮が出る日を教えてやることにしたんやけど、
まさかまた唐揚げ食わせろとかいうんかと思って牽制したら、
「ちゃうよ、お酒飲みに行くだけ。
ただ、あの日まともにお礼言われへんかったし、
改めて言いたいだけや」
とか言うから、
あの時亮見て固まった丸の姿を思い浮かべて、
そっちの話かと思うやん？
「丸、亮はそういう趣味ないと思うで」
そう言うてやったら、
「はあ？ どういう意味よ。俺は純粋にお礼をやね……」
とか言い訳するから、
「はいはい、お持ち帰りはナシやからな」
釘だけは刺しといた。
それから数日、丸は一人やなくて、
もう一人の男を連れて来た。
おいおい、その男の 趣味とかナシやで。
ひとまず心の中でだけで思いとどめて、
「丸、ホンマに来たんや」
笑顔で迎える。
「ホンマにって……そりゃ来るよ。言うたやろ、
あの時のお礼言いそこなったって」
「そうやな。見惚れとったもんな」
「もう、そんなんやないって」
「はいはい、どうでもええけど、お持ち帰りナシやから」
「もう、ちゃうねんって」
のやり取りを繰り返して、
「そちらも、お久しぶりです」
と、声をかける。
「お久ぶりです。最近こっちで公演なくて、来れませんでした」
申し訳なさそうに頭を下げるから、
「いえいえ、忙しいのはいいこと。気にせんでも大丈夫です」
「ありがとうございます」
お互い挨拶済ませると、
「何を飲まれますか？」
と言うと、
「「おすすめで」」
と、二人が同時に口にした。
「はい。しばらくお待ちください」
シェイカーを準備する。
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作者名：にと | 作成日時：2019年4月6日 12時
