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5-4 注文 ページ17
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「ほう、お前いろんなとこでバイトしてるみたいやけど、
他にも行っとるんか？」
そう言うたら、
指折り数えてしまう程の場所が上がる。
「亮、お前、休みあるんか？ って、学生ちゃうんか」
そう言うたら、
「学生ちゃいますよ」
「ほな、どこか狙ってる職場があるとか？」
「いいえ」
「実家を継ぐとか？」
「いいえ」
「目的あって、金目的に働いてるとか？」
「いいえ、まあ、生活費は稼がんと」
「将来なんかしたいとか？」
「ないですね」
淡々とした返事に、
「亮、おまえ、将来の目標とか、なんかあるか？
店持ちたいとか、やりたいことがるとか？」
「ないです」
きっぱり言いよったで。
「親はなんも言わんのか？」
って言うたところで、
「……」
初めての沈黙。
「じゃあ、……」
「これ、なんか意味あるんですか？
それともマスターの 趣味か、いやがらせですか？」
と、眉間に皺寄せとるし。
「いいや。気になっただけやけどな」
「なら……もう答えなくてもいいっすよね」
と、言うたかと思ったら、
とっとと帰って行ったがな。
なんか、俺言い過ぎたんか？
それとも触れたらアカンかったんかな。
それからは、特にこの話題には触れず、
しかもちゃんと仕事してるし、
文句のつけようもないわ。
これ以上文句言わせるわけにはいかんから、
翌朝、ちゃんと連絡したで。
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作者名：にと | 作成日時：2019年4月6日 12時
