5-2 注文 ページ15
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それよりも、
「問い合わせって？」
大声で聞き返すと、
「いつもと酒の 種類が違うとか言うてましたよ」
それ、先に言わんかい。
なんで引っ込むねん。
「ああ、わかった、連絡するわ」
「お願いしますね」
なんかキツイ声が返ってきて、
これはなんかあったな。って、
変な勘が働く。
「亮、酒屋なんか他に言うてなかったか？」
返事を待っていたんだが、
なかなか返ってこない。
お客も途切れないし、
後で聞けばいいだろうと、仕事に専念する。
その日一日はなんとかやり過ごし片づけてると、
「マスター。酒屋に連絡してくださいって言いませんでしたっけ？」
ややキレ気味で訴えてくる亮。
ん、あっ、そうやったと思ったものの、
こっちも何となく引けずに、
「ああ、お客立て込んどって、まだしてへん」
この後するって言おうとしたら、
「催促の連絡してきましたよ。言いましたよね、注文の内容の確認ですよ。
あっちも仕入れの都合があるから連絡待ってるんでしょ。
さっさとしたら良かったんとちゃいますか！」
あれあれ、興奮気味やねエ。
というか、
「さっきは酒の 種類とか言うてたやろ？」
「やから、酒の 種類の 確認でしょ。
いつもと違うから、それを確認したいんでしょうが。
さっさとしないと、頼んだはずの 酒来ないんじゃないですか？」
さっきより、つんけんしてるやん？
「客に言え。今からするやん」
には、
「さっきもう店閉めるから、明日朝一でって、連絡ありました！」
つんつんした声に、
不機嫌丸出しの表情が付いて来た。
「……さよか、なら明日すればええねんな」
こっちもかなり低い声で応じる。
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作者名：にと | 作成日時：2019年4月6日 12時
