蜜×嘘

゜:。* ゜.17 ページ17

西島 side









ﾁｭﾝﾁｭﾝﾁｭﾝ








いつもの癖で









鳥の鳴き声にすら









俺の睡眠を邪魔される今日このごろ









『ふぁぁねみ』









ふと横を見ると









愛おしい彼女









ってか俺昨日…！！！









ほとんど覚えてない









でも









彼女の








何も着ていないカッコと









白い肌に紅い痕が付いていることが









俺の独占欲を物語っている









昨日の夜は









ただ彼女が愛おしくて









夢中で









ただ一つ覚えているのは









彼女と俺は繋がっていないこと









俺たちは偽りの関係だから…









｢んふぁ…っひぇ！！！｣









どうやらこっちも昨日の出来事をよく覚えてないらしい









『おはよ』









｢お、おはよございます/////｣









やっと思い出したね笑









…君を、君をほんの少しだけたくさん知って









思ったことがあるんだ









『…ねぇ、俺と2つだけ約束して』









俺がいきなり真剣なトーンになったからか









びっくりした表情を見せる









ごめんね驚かせて









『1つ目 俺を好きにならないこと』









｢え、『2つ目』｣









やっぱり奪ってやるなんて









そんなやり方で彼女を手に入れたくない









むしろ 手に入れられなくてもいいから









誰よりも









幸せになって欲しい









なんでこんなに愛おしいんだか









だけどお願い









これ以上俺が君を好きになる前に








君を離せなくなる前に…









『ちゃんと、彼氏とやり直して』









ごめんね









『それが1年後でも、2年後でもいい』









俺は不器用だから









『それまで、俺をいくらでも利用して』









こんな愛し方しかできない









『もしも、』









だけど君がもしも









『彼氏とやり直して、その彼氏とまた別れることになったら』









そいつより









俺がいいと思ってくれたなら









『いつでも』








嫌っていうくらいに









『俺のとこにおいで』









愛してあげるから









そう言った俺は









何も言わない彼女を









ただ大切に









抱きしめた

゜:。* ゜.18→←゜:。* ゜.16

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す