四話 ページ6
・
「じゃあこれで朝練終わりな。授業に遅れんなよー!」
「「お疲れっしたー!」」
「Aー」
『どしたの』
声をかけて来たのは同じクラスの田中。
「一緒に教室行くべー」
『ん。じゃあ着替えてくるね』
ちょっと作り笑顔。
「A」
『何?』
「いや、なんでもない」
『変なの』
じゃあ今度こそ着替えてくるから。
そう言い残して体育館を離れた。
・
「なーA」
『ん?』
「その、ノヤのことだけど・・・」
『いや、もう分かったから。あの人は潔子さんが好きで私のことは眼中にないって。
私にはお友達ポジションにいて欲しいんでしょ』
「・・・それは」
『ん?なんか言った?』
「いや、なんでもねーよ。それより今日漢字ショートテストがあるの、覚えてるか?」
『ギクゥ』
「勉強して来たか?」
『そ、それは何点満点のテストですか?』
「百点満点」
『・・・二桁取れるように頑張る』
「俺さ」
『?』
「お前見てるとまだ大丈夫なんだなって思う」
『うるさい』
・
「・・・」
「西谷?」
「なんですかスガさん」
「そんな田中とAを羨ましそうに見るんだったら素直になれば?」
「そんなことないですよ」
「なーに言ってんの。
・
・
"あんな風に会話できて羨ましい"
"俺もあんな自然にAと普通の会話したい"
そんな目で今、いやずっと見てたぞ」
「っ!」
「図星か?」
「だったら悪いですかっ」
・
《二年一組土村Aさん、二年一組土村Aさん、担任の山中先生がお呼びです。至急職員室に来て下さい》
『わ、私?』
お昼ご飯を食べる用意をしてたのに・・・。何?
「A、ショートテスト自信あるか?」
『全くない』
「その話じゃねー?」
『・・・腹を括って行ってきます』
「いってらー」
「生きて帰って来いよー」
『どういう意味じゃゴラァ』
担任の山中先生は国語担当で採点が速い。
その日にやったショートテストなんかは三限目より前であれば必ずその日に帰ってくる。
今日は二限目にあったから・・・ショートテストの話の可能性が高い。
怒られはしない。先生は怒らないから。
いつも仏のような微笑みを浮かべている、五十八歳のおじちゃんである。
『し、失礼します』
「お〜、土村。来たか〜」
『な、何ですか?』
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かちゅくん。 - ええええおわりいいい??? (2019年8月3日 20時) (レス) id: a42f2d2c8c (このIDを非表示/違反報告)
カーノー - え…終わるんですか? (2018年8月29日 21時) (レス) id: f78cecde0f (このIDを非表示/違反報告)
乃愛(プロフ) - あの、半年と4ヶ月とは、10ヶ月と言うことですか??すみません(;_;)その部分が気になって。半年は6ヶ月のことだから日本語的に…( ; ; ) (2018年8月1日 3時) (レス) id: 1fd93b0cef (このIDを非表示/違反報告)
メダカ - あはははははは^ - ^ (2018年7月3日 18時) (レス) id: 128b810340 (このIDを非表示/違反報告)
ぷかぷか桃李にゃんこ二号(プロフ) - まってまって、身長体重同じの上バレー部でリベロ笑笑 (2018年4月21日 13時) (レス) id: d641c5035a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青山奏 | 作成日時:2018年3月29日 15時