罰ゲームであれ ページ10
『と、トントンさん』
tn「あ？」
『アッ、ナンデモナイデス』
gr「トントン、書類なら終わったから機嫌を直してくれ」
tn「やっとかいな…」
教会で時間を割いてしまったためにストレスが溜まっているらしいトントンは爆発寸前だ。
私も何かした方が良いのだろうか。
オロオロしているとロボロさんが声をかけてくれた。
rb「すまんな、いっつもこんな調子やねん。気にせんでな」
『や、でも此処にいる間くらいは何かします…居候はちょっと』
tn「ホンマに！？え、Aさんって料理できる？」
『え、一応一通りは…』
tn「めっちゃ助かる〜」
gr「トントン自分で作れるやん」
tn「最近忙しくて作れへんくてな。作ってくれるんなら話は別やけどな」
『じゃあ早速作ろうかな』
ロボロさんに厨房まで案内してもらう事になった。
厨房設備はとても整っており、コックがいる。
コックいるなら作ってもらえよ。
コックに作ってもらわないならこの人達が此処で働く意味って…。
rb「じゃ、此処で作ってな！出来たらそこの…」
ht「俺に言ってね。あ、俺はひとらんらん」
『ども…』
rb「ひとらん、頼んだ〜」
ht「了解〜」
何だこのふわふわした空間。
てかこの人からなら逃げられるのでは…？
調理器具を漁る振りをして扉に近付く。
見たところ鍵は付いていないのでこれなら私にも開けられる。
そう確信した私はそっと扉を押し1歩踏み出した。
ht「外に行かなくても全部揃ってるよ？」
が、それ以上進むことは叶わなかった。
このひとらんらんさんが私の手首を掴んだからである。
ちょ、ビクともしないんだけど！？
『此処に無い食材が使いたいかな！！』
ht「そんなに特別な物作ろうとしなくていいんだよ？」
『お国の幹部様のお口に入るものだからさ、スペシャルな料理作りたいじゃん！？』
ht「その幹部様は目の前にいるから大丈夫だよ」
『っアンタも幹部なのかよっっ』
扉から離れて大人しく調理台に向かう。
セキュリティ一固いなほんと。
もうあれじゃん、閉じ込めてるじゃん。
遊牧っていう家畜育てる方法(？)あるじゃん。
あの感じで外に出してくれたら良いのに。
ht「可愛いけどグルッペンが夢中になる程かなぁ」
『めっちゃ失礼！？』
ht「ああごめんね、でもそう聞いてたからつい」
『そのマスクは罰ゲームとかでは』
ht「ないね」
『まじ黙れよ』
赤いバツマークが付いたマスク。
それを付けているなら黙って欲しい。
てか此奴監視役かよ。
何から何まで丁寧な歓迎だなぁ。
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作者名：中澤 錦 | 作成日時：2019年9月7日 18時
