常住or帰宅 ページ8
『まほー……』
gr「貴族は基本使えるぞ？そもそも使えんと話にならん」
tn「魔力の多さがその個人の力を表しとるって言っても過言ではないな」
『私強いって事！？』
rb「って言っても個人の捉え方によるよな。使いこなせるかも大事やし」
魔法なんて、考えた事もなかった。
本で読むのは空想の話だと思ってたし、小さい子が「俺は魔法が使えるんだ！」って言うのもおままごとや遊びの話。
本当に、あるなんて。
tn「何か、女の子やなぁ」
『え？』
tn「夢あるよな、魔法。それを実感した顔しとった」
そう言ってニコッと笑いかける。
待って、イケメンだ。
今のはかなり危なかった。
こんな所で誰かに惚れたりして逃げれなくなるなんて真っ平御免だからね。
恋なんて。
私の恋人はモコちゃんだからね。
そう自分に言い聞かせる。
gr「まあ魔法で出来ることなんて限られてるがな」
『……へっ』
gr「何その反応！？」
tn「秒で夢壊しおった……」
rb「まあ、人によってそれぞれやし！俺らに才能があっただけやねん」
ロボロさんが言うには、普通は魔力があっても使いこなせなかったり、魔法を使おうとして闇堕ち(魔力に乗っ取られる)する事が多いらしい。
それに魔法を使えても魔力切れで動けなくなる事も。
だから貴族って少ないんだなぁ。
rb「Aさんの場合は魔力切れは無いと思うで」
『それでも失敗したら…』
rb「それは…な？」
察した。
知りたくなかった！
こんな事なら舞踏会なんて来なけりゃ良かったし、さっさと逃げれる時に逃げときゃよかった！！
『帰らせ』
gr「ないゾ」
『だって死ぬかもしれないじゃん！！ヤダよそんなの』
tn「大丈夫此処には蘇生魔法使える奴がおる」
『あ、そうなんだって死にたくないわ！』
rb「まあ1回だけ頼むよ。それで失敗したら帰らせたげよ」
『ならやる』
帰れるなら1回死んだっていい。
蘇生なんてできるならやっとけよ。
私は全力で失敗しようと気合を入れ、城内の教会へ連れて行かれた。
魔法のいわゆる儀式は、教会で行われるらしい。
『城内に教会があるとか』
gr「珍しいかもな」
tn「今回みたいな事があった時の為にな、普通は話聞いたら喜んで儀式行きそうやけど…」
『死ぬって聞いて行きたがるかよ』
rb「普通なら言わんけど聞かれたからなぁ」
教会って聞いて外に出られるかと思ったけど甘かった。
もし失敗したら、やっぱり死ぬんだろうか。
いや、失敗しなければ良いだけ。
『って、帰るんだから失敗しないと』
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作者名：中澤 錦 | 作成日時：2019年9月7日 18時
